説得を受け入れるリーダーになるための7つの実践
①逆を考える
我々は確証バイアスによって、我々は動機付けられた推論を行い、反証を切り捨てる。反証に気づくためには、明確な意図を持って、容易に優劣を判断できない競合するシナリオを比較検討することが必要である。
自分が確証バイアスに陥っていて、逆を考える必要があると判断するための手がかりは、情報に接した時に覚える怒りや不安といった強い感情と違和感だ。反証に気づくためには、自分から状況に関わり、何かがおかしいという気持ちを忘れず、別のシナリオを考え続けていなければならない。
②信念を徐々にアップデートする
普通の目立たない証拠を突きつけられても、我々はなかなか考えを変えようとしない。その理由は、人間には白か黒かをはっきりさせる二分法で考える傾向があるからだ。説得を受け入れる柔軟性を得るためには、灰色の濃淡による思考法へと変える必要がある。反証が現れたら、自分の考えが真であるという確信の度合いを少しだけ下げるべきだ。
③最愛のものを葬れ
積極的に反証を求め、最も愛着のある信念を破壊すれば、もっと速く、真理に近づける。我々が愛着を持つ信念は「順調だ」という形で表現されることが多い。よって、愛着のある信念を手放すことはつらい痛みを伴う。最愛のものを葬る決心をした時には、敵対する考えの助けを借りることを考えるといい。
④他者の視点から見る
権力を持っている人々は他者の視点に立つことが難しい。そこで、「いつどこで視点取得するか」と問いかけることが効果的である。進んで視点取得する時間と場所をあらかじめ決めておくことが、それを最大限活かせるかどうかを決める。
⑤説得されすぎない
説得に対する柔軟さにもマイナスの面はある。物事を進めるための恐れや不安によって過度の分析に駆り立てられ、決断や重要な仕事が妨げられている時には、それと気づかなければならない。また説得を受け入れる柔軟性のコスト(金銭や時間、意識)を理解し、その柔軟性に価値があるか自問する必要がある。
⑥他に先駆けて転向する
どんなアイデアも、社会の多数に受け入れられるには、アーリーマジョリティに受け入れられる必要がある。そのためには、最初の少数の勇者が不可欠である。彼らは勇気を出して考えを変え、現状の社会的規範に反発する。これが全員一致を破り、規範に同調しない者たちを生み出す。
⑦自分の部族(同胞)に働きかける
自分の同類がXを信じているがゆえにXを信じる。共有された信念に同調することは、部族の仲間たちとの愛着や団結を強める。同調性は、根拠を棚上げにしたまま物事を信じさせる、極めて強い力である。「我々は間違っている」という説得力のある言葉で自分の部族の仲間を変えればいい。