「近代マーケティングの父」と呼ばれるフィリップ・コトラーの自伝。マーケティングという考え方が黎明期だった頃から、マーケティングという学問を確立していった著者の生い立ちから現在までが書かれています。
■家族
生まれたのは世界恐慌で世の中が大混乱していた1931年、場所は米イリノイ州の最大都市シカゴ。アル・カポネらギャングが暗躍していた時期だ。父母は共にウクライナからの移民。お金もほとんど持たず、英語も話す事ができずにアメリカの地を踏んだという。兄弟は3人共に学者。なぜ、移民の両親から3人の学者が生まれたのかは分からない。共に小学校しか出ておらず、米国に移り住んでからはクリーニング業で懸命に生計を立て、その後、魚屋を開いてささやかな暮らしを営んでいた。
■青年時代
子供の頃から今に至っても変わらない事がある。それは、偉業を達成した人のニュースに触れると、決まって自分も同じ事がしたくなるという事だ。
高校生にもなると自分の行く末について考えるようになる。ユダヤ系移民の子供は、大抵「医者、弁護士、技術者の3つから選べ」と言われる。だが、どうしても3つとも魅力を感じる事ができず、腕のいい会計士になる事を決めた。経済について、よく学べるし、安定した収入が見込めそうな職業だったのが理由だ。
超短要約
■マーケティングの未来
企業は100年以上にわたり、顧客の企業や製品に対するイメージをコントロールし、マス・コミュニケーションの力を利用し、企業に対する顧客の考え方や知識を意のままに形づくってきた。
だがデジタル世界の爆発的成長と共に、そうしたマーケティングの世界は終焉を迎えつつある。今日の消費者は友人とのチャットやインターネットを通じて、企業や製品について様々な知識を得る。また小売店を店というよりショールームと見なし、店頭では品物の価格をスマートフォンで見つけた最安値に合わせて欲しいと交渉する。
このように今日の企業は、ブランド構築のプロセスを自らコントロールできなくなってしまった。ブランドは次第に消費者がつくるようになっている。今でも30秒のスポット広告を通じて消費者にある程度の影響を及ぼす事はできる。だが10年後には、企業はコミュニケーション予算の半分をソーシャル・メディアに費やすようになると見ている。
優れたマーケティングというのは、コミュニケーションにとどまらない。マーケティング最大の目的は、顧客の人生に付加価値をもたらす事だ。マーケティング活動は顧客満足に関わるすべての要因に関与しなければならない。製品とその特徴、価格、入手しやすさや付帯サービスなど、すべてに影響を及ぼすのだ。
マーケティングは、他の部門に伝統的な機能を奪われつつある。かつてはマーケティングの機能と見られていたものが、今では別の専門家集団に委ねられるようになった。新製品開発は研究開発、製品開発部門に、イノベーションはオペレーション部門に、メディアはオペレーション・リサーチ部門に。チャネルはロジスティクス、サプライチェーン部門に、市場戦略は戦略部門に、サービスはカスタマー・サービス部門に、データ・マイニングはITおよびコンピュータ科学部門にといった具合だ。そうなると、マーケティング部門に残るのは次の機能だけだ。
①コミュニケーション
②価格決定
③ブランディングと差異化
④消費者行動
著者 フィリップ・コトラー
1931年生まれ。ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール教授 「近代マーケティングの父」として広く知られている。ウォールストリート・ジャーナル紙の最も影響力のある経営思想家ランキングで上位6人の一角を占めている。 顧客のセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングを説くSTP理論や、マーケティングの4Pにpeople・processes・physical evidenceを加えた7P理論などが有名。
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土井 英司 |
| 章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 家族 | p.16 | 3分 | ![]() |
| 青年時代 | p.21 | 3分 | ![]() |
| シカゴ大学からMITへ | p.27 | 3分 | ![]() |
| 結婚 | p.32 | 2分 | ![]() |
| インド生活 | p.36 | 3分 | ![]() |
| 学ぶテーマ確信 | p.41 | 5分 | ![]() ![]() ![]() |
| ケロッグ校時代 | p.51 | 3分 | ![]() ![]() ![]() |
| 処女作 | p.57 | 3分 | ![]() ![]() ![]() |
| 学会投票 | p.62 | 3分 | ![]() ![]() ![]() |
| 名声について | p.67 | 3分 | ![]() ![]() ![]() |
| 社会問題の解決へ | p.72 | 5分 | ![]() ![]() ![]() |
| 供給巡り論争 | p.81 | 3分 | ![]() ![]() ![]() |
| NPOとの出会い | p.87 | 3分 | ![]() |
| ドラッカーと | p.92 | 4分 | ![]() ![]() |
| 企業の社会的責任 | p.99 | 3分 | ![]() ![]() |
| 政府と地域 | p.105 | 4分 | ![]() |
| 日本への思い | p.113 | 3分 | ![]() |
| 趣味 | p.119 | 4分 | ![]() |
| 日本の思い出 | p.127 | 3分 | ![]() |
| コトラー・デー | p.132 | 3分 | ![]() |
| イタリアへの想い | p.137 | 2分 | ![]() |
| シャトーカ | p.141 | 3分 | ![]() |
| イノベーション | p.146 | 4分 | ![]() ![]() |
| 成長の条件 | p.154 | 3分 | ![]() |
| 世界の教え子たち | p.159 | 3分 | ![]() |
| コンサルティング | p.164 | 3分 | ![]() |
| インドネシア | p.169 | 4分 | ![]() |
| 富と貧困 | p.176 | 4分 | ![]() |
| 賄賂と汚職 | p.183 | 3分 | ![]() |
| 平和 | p.188 | 5分 | ![]() |
| 変わる米国 | p.197 | 4分 | ![]() |
| マーケティングの未来 | p.204 | 3分 | ![]() ![]() ![]() |
| 世界マーケティング・サミット | p.209 | 3分 | ![]() |
| 感謝 | p.214 | 3分 | ![]() |
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