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2020/04/01更新

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)

214分

P

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1人の顧客から考える

N1分析をする場合、無作為に選んだ誰か1人に話を聞けばいい訳ではない。まず顧客全体の人数や構成比を正しく把握するために、ビジネスの対象とする顧客を5つに分解する「顧客ピラミッド」(5セグマップ)を使う。さらに、ブランド選考度の軸を加えて顧客全体を9つに分解する「9セグマップ」を使う。

これらのフレームワークを活用して、特定の顧客セグメントから1人を抽出して「N1分析」を行い、購買行動を左右する言語化されていない深層心理のニーズをつかんで「アイデア」を開発して、定量的な検証も行って打ち手を検討する。実施したら、結果的にセグメントが狙い通りに動いたのか、各セグメントの人数や構成比を確認して評価する。

顧客ピラミッド

商品やサービスの顧客層全体を、次の5つにセグメント分類する。

①ロイヤル顧客(認知あり/購買頻度高)
②一般顧客(認知あり/購買頻度中〜低)
③離反顧客(認知あり/購買経験あり/現在購買なし)
④認知・未購買顧客(認知あり/購買経験なし)
⑤未認知顧客(認知なし)

これらは、次の3つの設問による簡単な調査で作成できる。

①そのブランドを知っているかどうか(認知)
②これまでに買ったことがあるかどうか(購買)
③どれくらいの頻度で購買しているか(購買頻度)

中長期で見ると、ほとんどの商品やサービスでは、上位10-30%の顧客が大半の売上ないし利益に貢献している。とは言え、下位70-90%の顧客は無視すべきではない。ロイヤル顧客も中長期では一定割合で離反するので、新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤル化の両立を実現しなければ事業は縮小する。

セグメントごとに「顧客数」「年間売上」「費用」「利益」を把握することで、顧客起点での投資検討が可能になる。

5つの基本戦略

顧客ピラミッドで考える戦略の選択肢は次の通り。

①ロイヤル顧客のスーパーロイヤル化
②一般顧客のロイヤル化
③離反顧客の復帰
④認知・未購買顧客の顧客化
⑤未認知顧客の顧客化

上位への働きかけほどCRMを中心としたターゲット絞り込み、1対1のコミュニケーションが必要となり、下位ほどリーチが広いテレビなどのマス媒体を活用したコミュニケーションが有効になる。

顧客9セグマップ

自社ブランドだけを買い続けている顧客はほとんどおらず、様々な競合ブランドも代替品も合わせてダイナミックに買い回りしているのが現実である。

そこでロイヤル顧客、一般顧客、離反顧客、認知・未購買顧客の4層をブランド選考(次回の購入意向)の有無で8つに分類する。その上で、セグメントごとに販促、ブランディングの戦略をたてる。