今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中
2019/09/05更新

事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学

275分

6P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

アマゾン詳細ページへ

共通の動機を見出す

人は自分の先入観(事前の信念)を裏付ける証拠なら即座に受け入れ、反対の証拠は冷ややかな目で評価する。私たちはしょっちゅう相反する情報にさらされているため、この傾向は両極化の状況を生み出し、それは時を経て情報が増えるたびに広がっていく。

自分の意見を否定するような情報を提供されると、私たちはまったく新しい反論を思いつき、さらに頑なになることもある。今日の社会において、ある意見の信憑性を失わせるデータや証拠を見つけることは、かつてないほど容易くなっている。豊富な情報が得られるようになると、それを使って反対意見を合理的に退け、自説を強化するようになる。

さらに、問題なのは、情報のいいとこ取りに気づかない点だ。情報は人知れずふるいにかけられているため、私たちの目の前に提示されるのは、元々自分が持っていた意見に即したものが多くなる。テクノロジーによって生じるこの確証バイアスを最小限に食い止めるには、インターネット検索やソーシャルメディアが自分の考えに合わせてカスタマイズされることを防ぐ必要がある。

議論の内容が何であれ、まずは相手の気持ちを考慮しなければ意見を変えることはできない。何かを正しいと信じる強い動機の前では、決定的な反対証拠さえ役に立たない。私たちは本能的に、自分が正しく他人が間違っている証拠を大量に抱いて議論に挑もうとしがちだが、それでは袋小路に入り込んでしまう。変化をうまく導くには、共通の動機を見出せばいい。そして、共通の動機を見出したら、メッセージが伝わるよう感情に働きかけることだ。

感情をコントロールする

感情的な反応というのは、身体が何かすごく大変なことが起こっていると言っているようなもので、それに応じた行動を取ることが極めて重要である。
人間の脳の大部分は、感情を喚起する出来事を処理し、何かしらの反応をすべく設計されている。

影響を与え合う最も強力な方法の1つが、感情を用いることだ。人は瞬間的に、また無意識の内に絶えず他人の感情を受け入れ、行動に変換する。感情は伝染しやすいため、自分の気持ちを表現することによって他人の心の状態を変容させ、それによって目の前にいる人の視点を自分の視点に近づけやすくなる。

インセンティブを提示する

報酬を予測すると、人間の脳は接近を促すのみならず、行動を起こしやすくなるよう設計されている。反対に、喪失への不安は、何もしない状態を引き起こすことが多い。誰かにすぐさま行動して欲しいと望むなら、罰を与えると脅して苦痛を案じさせるよりも、ご褒美を約束して喜びを予期させる方がうまくいくかもしれない。