東京・亀戸に200年以上続く「くず餅」の船橋屋8代目が、社員を幸せにして、顧客にも喜ばれる経営を紹介している一冊。組織を活性化させるために行なっている様々なことが書かれています。
■「こうすべき」が迷いを生む
世の中には「こうしなくてはいけない」ということなどない。「こうあるべき」などという組織もない。今置かれている状況を素直に受け入れて、ここにいる自分とその仲間がワクワクすること、そして自分を取り巻く社会やお客様にとって幸せになることだけを突き詰めていけばいい。
この考え方を一言で表すと「これでいいのだ」という言葉になる。これは「Being Life」と表現される。「今の自分、今の自分が置かれている状況」を自然に受け入れるということである。
経営者は多かれ少なかれ「べき」にとらわれている。理想像に固執するあまり、もっともっとを追い求め、今に心を置くことができなくなる。このような状態を避けるためにも、「Being Life」を意識しなければならない。
個々人が充足感を感じ幸せの在り方を大切にする経営こそ「Being management」である。
拡大・成長というのは、会社が存続する上では必要不可欠だが、あくまでもそれは結果であり、その会社の存在意義ではない。
「今、ここ、自分」を大切に、「それは幸せにつながるか否か」ということを経営の基準に据えるようになってから、「船橋屋」はあらゆることがうまくいくようになった。
著者 渡辺 雅司
1964年生まれ。船橋屋 代表取締役八代目当主 大学卒業後、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。1993年に家業を継ぐために「元祖くず餅 船橋屋」に入社。2008年には父の後を継いで、八代目当主となる。 以降、老舗の伝統を守りつつさまざまな組織改革で、若い女性などファン層の拡大に成功。増収増益を続ける。近年は、くず餅乳酸菌による新商品開発などイノベーションを次々と起こす。また、全国各地に赴き、組織改革や人財育成ついて講演活動もしている。
帯 作家 村上 龍 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.4 | 7分 | |
序 章 「下町のくず餅屋」に新卒1万7000人が殺到するまで | p.29 | 7分 | |
第1章 あるべき「リーダー像」から脱すればうまくいく~「Beingマネジメント(経営)」メソッド | p.43 | 19分 | |
第2章 チームづくりは『ワンピース』を見習え~「Beingマネジメント(経営)」の組織論 | p.81 | 26分 | |
第3章 頑張って結果を出すから「幸せ」ではなく、「幸せ」だから「結果」が出る~「Beingマネジメント(経営)」の人財開発 | p.131 | 12分 | |
第4章 「職人技」は数値化できる~「Beingマネジメント(経営)」の人事評価制度 | p.155 | 16分 | |
第5章 社員の声に真摯に耳を傾ければ、「共感」と「貢献欲求」が生まれる~ 「Beingマネジメント(経営)」のフィードバック | p.187 | 14分 | |
第6章 SNSも「ありのまま」で拡散! ~「Beingマネジメント(経営)」のマーケティング | p.215 | 12分 | |
第7章 先祖代々受け継がれてきた樽の中から「くず餅乳酸菌®」!!~「Beingマネジメント(経営)」のイノベーション | p.239 | 8分 | |
おわりに | p.255 | 3分 |
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