対話をビジネスに用いることで、創造性を発揮する方法を紹介している一冊。対話をつくるためのポイントが書かれています。
■オープンダイアローグとは
オープンダイアローグは、元々フィンランドで生まれた精神療法である。医師が患者のいないところで患者について臨床心理士などのスタッフと話すことをやめ、患者と家族の前でのみスタッフと話すことに決めたことを境に、劇的な変化が起き始めた。この「開かれた対話」によって、ほとんど薬も飲まず入院もせずに、統合失調症が初期のうちに治るようになっていった。統合失調症は投薬による治療が不可欠であるというこれまでの精神医学の大前提が崩れたのである。
オープンダイアローグは、こうした精神医療だけでなく、ビジネスでも有効である。オープンダイアローグは、高度で複雑な技法ではなく、シンプルである。基本的な考え方を理解し、一定のやり方に従って対話を実践していけばよい。
オープンダイアローグを用いれば、創造力を解き放ち、イノベーションを生み出すことができる。そのポイントは次の5つ。
①多様性:人の違いを受け入れる
②主体性:自立した考えを持つ
③傾聴:相手の話をよく聴く
④質問:適切な問いかけをする
⑤自身を深く振り返る
著者 鈴木 隆
大阪ガス エネルギー・文化研究所 主席研究員 大学卒業後、大阪ガス入社。2001年、社内起業により国内初の本格的な住宅リフォーム仲介サイト「ホームプロ」を立ち上げ、試行錯誤の末、利用実績No.1のサイトに育てあげる。 ホームプロ(リクルート・大阪ガス・NTT西日本・NTT東日本が出資)の代表取締役専務、日本郵政の事業開発部アドバイザー等を経て、現職。マーケティングにおける実践と理論の統合を研究。
帯 精神科医 斎藤 環 |
帯2 立教大学教授 中原 淳 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 2分 | |
第1章 フィンランドの僻地で生まれたオープンダイアローグ | p.13 | 10分 | |
第2章 源流にあるコミュニケーションとダイアローグの思想 | p.29 | 13分 | |
第3章 創造力を解き放ち、イノベーションを生みだす | p.51 | 31分 | |
第4章 ビジネスでもうまくいくための5つのポイント | p.101 | 26分 | |
第5章 最先端の欧州でみてきた実践例 ―― オランダとデンマーク | p.143 | 28分 | |
第6章 躍進するアジアでみてきた実践例 ―― 中国・深センとシンガポール | p.189 | 24分 | |
第7章 実は日本でも成果をあげていた実践例 ―― ワイガヤから自身の取り組みまで | p.229 | 14分 | |
おわりに | p.252 | 2分 |