記憶容量の限界を回避する
頭の中に保持して処理できる情報量には限界がある。一度に2つ以上の情報を覚えることはできるが、たくさんの情報を覚えると、それぞれに対する記憶力は低下する。
・アイデアの特徴的な要素に絞って概略化することで情報を単純化する
・情報が多すぎる時はチャンク化(かたまりに分ける)する
・最も重要なことにリソース引き当てる
一度に2つの知的作業を行わない
一度に情報のかたまりを記憶することはできても、このチャンクを使って、パフォーマンスに影響を及ぼすことなく、同時に複数の意識的なプロセスを実行することはできない。一度に集中して行うことができる意識的な作業は1つである。
・一度に2つのことをやろうとしていると自覚したら、あえてペースを落とす
・反復作業をできるだけ体に覚えさせる
・意思決定や思考のプロセスを正しい順序で行い、意思決定の待ち行列を減らす
・マルチタスクを行う必要がある場合、能動的思考を要する作業と組み合わせるのは、体で覚えた無意識のルーティンだけにする
注意散漫を避ける
ディストラクション(注意散漫要因)は至るところに存在する。また、「常時オン」を可能にする今日のテクノロジーによって、生産性は大きく損なわれる。ディストラクションはどんなに小さなものでも、人の注意をそらす。
・集中する必要がある時は、すべての外的ディストラクションを完全に取り除く
・難しい作業に着手する前に、頭をすっきりさせて、内的ディストラクションが生じる可能性を減らす
・行動を抑制するには、勢いがつく前の早い段階でディストラクションを察知し、抑制する
脳の適度な覚醒を促す
適切な意思決定と問題解決を行うために、脳は適度な覚醒状態にある必要がある。脳が最高のパフォーマンスを実現できる「スイートスポット」は「逆U字」となる。ストレスレベルが低いとパフォーマンスが低く、適度なストレスがさらに高まると最高のパフォーマンスに達し、ストレスレベルがさらに高まるとパフォーマンスが次第に低下する。
・1日を通して、自分の警戒と興味のレベルを意識する練習をする
・必要に応じて、軽い恐れを少しだけ思い浮かべてアドレナリンのレベルを高める
・必要に応じて、視点を変える、ポジティブなことを期待するなど、何らかの目新しさを用いて、ドーパミンのレベルを高める
・前頭前皮質以外の脳部位を活性化させ、ドーパミンやアドレナリンのレベルを下げる