ヴァーチャル・リアリティ技術は、単なる異なる世界を体験するためのものではない。人と人のつながりを生み出す土台として、VRが有効であるとし、その可能性について紹介している一冊。
■VRの可能性
VRは単なる新しい形のメディアではない。これまでのメディアの壁を完全に取り払うものだ。人間はこれまで、遠くの風景を描いた絵を見て、あるいは本を読んでその場面を想像し、またスクリーンで映画を鑑賞して過ごしてきた。本や絵は想像上の世界を示し、味わわせてくれたが、実際に体験できるわけではなかった。しかし、VRがもたらす感覚的な没入感はレベルが違う。
世界有数の大企業の数々が、商品化の見込みが立つずっと前から、何十億ドルという資金をVRに投じている。それは、VRがあらゆる産業を大きく成長させる可能性を秘めているからだ。
VRには、誰かとの親密さという感覚をくすぐり、呼び覚まし、膨れ上がらせる力がある。
関係は体験を共有することによって築かれる。VRの長所である鮮やかな体験を共有するという効果は、既存の人間関係の中にある親密さをくっつけることで効果を高める。
VRはつながりの土台となる可能性がある。
著者 ピーター ルービン
WIRED雑誌・オンライン版シニアエディター カルチャーからデジタルプラットフォームまで幅広いトピックを担当。2014年フェイスブック社に買収されたオキュラスの特集を筆頭に、VR業界について様々な記事を執筆し、テック系のメディアでパネラーとして活躍する。 ニューヨーク・タイムズ、GQ、ローリングストーンズといった数多くの媒体にも寄稿している。
帯 ソニー・インタラクティブエンタテインメント プレジデント 吉田 修平 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに バーチャル・リアリティーへようこそ | p.7 | 13分 | |
第1章 プレゼンス | p.28 | 17分 | |
第2章 脳内セラピー | p.56 | 16分 | |
第3章 ハリネズミのジレンマ | p.82 | 18分 | |
第4章 VRがもたらす親密さ | p.112 | 19分 | |
第5章 ソーシャルVRの台頭 | p.144 | 18分 | |
第6章 新たなプラットフォーム | p.174 | 16分 | |
第7章 VRで育む友情 | p.200 | 13分 | |
第8章 リアルな手ざわりへ | p.222 | 24分 | |
第9章 ポルノ改革プログラム | p.261 | 22分 | |
第10章 ぼくらの行く先 | p.298 | 12分 | |
おわりに | p.317 | 4分 |
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