5つの質問
職場でグレー領域問題に直面したら、マネージャーとしてそれに取り組み、一人の人間として解決することだ。人間としてグレー領域問題の解決を行うというのは、自分自身に正しい質問を投げかけて、自分なりの答を形成するために頑張るということだ。こうした質問は5つあり、熟慮と判断において不可欠なツールとなる。
①純・純影響は何だろうか?
この質問は、自分の選択のあらゆる、すべてを含めた影響について広く深く考えるよう求める。これは、自分の選択次第で、他の人々のために、他の人々に対して何をすることになるか考えるということだ。
グレー領域についての判断を下さねばならない時、結論を出そうとせず、他の人たちにも結論を出させないようにする。正解についての最初の直感は脇へ置く。そして、自分や他人がその問題にどう取り組むかを慎重に管理する。グレー領域問題にはプロセスが決定的となる。なぜなら、自分が正しい判断をしたかどうか決してわからないかもしれないからだ。わかるのはその問題に正しいやり方で取り組んだということだけだ。
②自分の中核的な責務とは何だろうか?
この質問は、広範な、複雑で長期にわたる根源的な考え方「何が良い人生か、何が良いコミュニティか。何が良い決断か」をまとめ、それを強烈かつ強力に集中させる。
この質問に応えるには、まず状況の経済性を見極めつつ、経済性を超えた見方をすることだ。そして、道徳的想像力に頼ることである。
③ありのままの世界では何がうまくいくだろうか?
この質問は、自分が暮らして働く世界が予測不能で制約され、自分の利益ばかり追求する個人や集団によって歪められているのを知っているかと尋ねる。そして、この世界で必要なことをやる覚悟があるかと尋ねる。
他人の生活や財産に対する責任を負ったら、世界をありのままに見て対処しなくてはならない。その世界とは色々なことが起こるのだ。
④我々は何者だろうか?
この質問は、自分をアイデンティティが周辺コミュニティのきめの中に編み込まれた存在として見るよう求める。そして、自分の所属するコミュニティの規範は価値を反映し、表現し、現実性を与える選択肢を探せと奨励する。
この質問に答えようとする時、どの規範と価値観が最も重要かを、どうにかして決めねばならない。対立が起きた時に、どれを筆頭に掲げるべきか決めねばならない。
⑤自分で納得できるのは何か?
どんなに頑張っても、どんなにしっかり分析しても、どんなに慎重に影響や責務、実務、価値観について考えても、グレー領域問題の答はしばしば見つからない。だったら、基本的には、自分で答を作り出すことだ。そしてそれは、自分がマネージャーとして、そして人間として納得できる決断を行うことで実施する。