白黒つけがたい問題に直面した時、マネージャーはどのように思考するべきか。複雑な問題について、何を基準に考えれば良いか、その指針を与える一冊。
■グレー領域の課題
マネージャーが仕事で直面する一番難しい問題は、白黒はっきりしないグレーな領域だ。その理由は、根本的に言えば、それが人生で直面する一番難しい問題だからだ。極めて不確実でしかも影響の大きな問題に対処する時、人は自分の技能のみならず、人間性も試されることになる。
あらゆるグレー領域に共通しているのは、それが大きかろうと小さかろうと、私たちがそれをどう体験するかという点だ。ツールや技法は、それ自体では答を与えてくれない。自分の判断力を行使して難しい選択をしなくてはならない。
この種の問題に直面した時、あらゆる時代と文化で人々が考えた5つの質問がガイダンスとなる。グレー領域は人々の最高の判断を要求するし、5つの質問は本質的に、判断のための極めて価値の高いツールとなる。
人間として、白黒はっきりしないグレー領域問題の解決を行うというのは、自分自身に正しい質問を投げかけて、自分なりの答を形成するために頑張るということだ。こうした質問は5つあり、熟慮と判断において不可欠なツールとなる。
①純・純影響は何だろうか?
②自分の中核的な責務とは何だろうか?
③ありのままの世界では何がうまくいくだろうか?
④我々は何者だろうか?
⑤自分で納得できるのは何か?
著者 ジョセフ・L・バダラッコ
1948年生まれ。ハーバードビジネススクール教授 哲学修士・経営学博士。野村マネジメント・スクール主任教授。専門はリーダーシップ論、戦略論、ビジネス倫理。
帯 パナソニック 代表取締役 津賀 一宏 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章 判断のツール | p.1 | 10分 | |
第2章 純純影響は何だろうか? | p.15 | 24分 | |
第3章 自分の中核的な責務は何だろうか? | p.49 | 24分 | |
第4章 ありのままの世界では何がうまくいくだろうか? | p.83 | 21分 | |
第5章 我々は何者だろうか? | p.113 | 21分 | |
第6章 自分で納得できるのは何か? | p.143 | 20分 |