従来のようにリーダーが肩書きや立場によって、部下を動かしても成果は上がらない。外部の環境が変わっていく中で、上司はどのようにメンバーを動かせばいいのかを物語で説明している一冊。
■リーダーが引っ張れない時代
部下をうまくマネジメントできず悩んでいる上司と、部下にとって悩み深い上司とは、同じ人である。それは、単純に「指示・命令をして自分に従わせること」がリーダーとしての行動になってしまっている人、あるいは上司になったらそうできると思っている人である。これは明らかにリーダーとして「引っ張る」という言葉の趣旨の履き違えである。
現実社会においては、リーダーの立場になった人の行動の基軸が、自分に従わせようとすることになっている場合は多い。しかし、上司に従って、指示の通りにやっていれば成果が出るのであればまだしも、変化が激しく、物事の陳腐化が早く、過去の経験則が決して正解にならない時代である。大きな成果に結びつかないであろうことにエネルギーを使わされれば、現場は疲労感が蓄積し、部下は所属する会社や職場での自分の未来に希望を感じなくなる。
人には人それぞれの強みや持ち味がある。自分の力を過信せず、人の力を借りて、それぞれの強みや持ち味を活かして、結びつけて、チームで仕事をしない限り、大きな成果を出すことはできない。
引っ張るというのはあくまでも状況に応じて取る手段の1つであって、それそのものがリーダーシップではない。
著者 河合 太介
人と組織のマネジメント研究所 道 代表取締役社長 経営コンサルタント 早稲田大学大学院経営管理研究科非常勤講師 長銀総合研究所、ワトソンワイアット(現ウイリス・タワーズワトソン)を経て、現職。 日本を代表する大企業やベンチャー企業等のコンサルティングや企業研修を行っている。現在、特に中心とするテーマはリーダーシップ、チームビルディング、職場コミュニケーション。現代社会の職場の問題を指摘し28万部超のベストセラーとなった『不機嫌な職場』等、著書多数。
帯 ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長 柳井 正 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 5分 | |
第1章 私たち上司に苦労しています | p.10 | 8分 | |
第2章 上司だって、つらいよ | p.25 | 11分 | |
第3章 「リーダーシップ=引っ張ること」の落とし穴 | p.46 | 12分 | |
第4章 上司が答えを知っている時代は終わった | p.69 | 7分 | |
第5章 あなたについてきてくれる人はいますか? | p.83 | 6分 | |
第6章 組織力の方程式 | p.94 | 11分 | |
第7章 コミュニケーションの本当の定義 | p.114 | 6分 | |
第8章 ついていきたくない上司 | p.125 | 6分 | |
第9章 ついていきたい上司 | p.137 | 10分 | |
第10章 父性と母性のリーダーシップ | p.156 | 11分 | |
第11章 四つの感情スイッチ①信頼感 | p.177 | 16分 | |
第12章 四つの感情スイッチ②達成感 | p.207 | 9分 | |
第13章 四つの感情スイッチ③不安感 | p.224 | 7分 | |
第14章 四つの感情スイッチ④効力感 | p.238 | 20分 | |
第15章 素直さに勝る成長材料なし | p.275 | 6分 |