ドラッカーに師事し、大学教授、経営コンサルタントとして活躍してきた著者が、ドラッカーの教えを振り返りながら、その思考法を紹介している一冊。
■ドラッカーのコンサルティング
著名な経営コンサルタントの中で、ドラッカーの取り組みは極めて異色である。コンサルティングを基本的にどう進めるのか、クライアントに対する要求、融通のあまり利かない構造的アプローチを取らず考えに考え抜いて解決策を求めようとする姿勢、答えを与えるのではなくクライアントを質問攻めにする姿勢、数字や定量的に表せる方法を安易に使うのではなく経営者としての決断力を大事にする姿勢、史的分析の活用などだ。
ドラッカーは、単にやり方をステップバイステップで示すより、何をなすべきかを重視する。だから、彼はコンサルティングの本を書いていない。
ドラッカーは、いつも、質問を投げかけ、「何」をなすべきかを一般論として語るばかりで、どうすべきかを語ったことはない。
■いい質問のルール
・クライアントとの対話を深める触媒になる問いか
・好奇心を掻き立てる問いか
・新しい考え方を検討しようと思う問いか
・クライアントに示唆を与える問いか
・様々な見方や反応を許す問いか
・「どのように」と「なぜ」をクライアントが答えなければならない問いか
・課題に関する議論が明らかになる問いか
・クライアントの事業に直接関係のある問いか
・クライアントに自らの考えを再検討するよう促す問いか
問いを重ねていくドラッカー流コンサルティングは、他のやり方と組み合わせて使うこともできる。
著者 ウィリアム・コーエン
カリフォルニア・インスティテュート・オブ・アドバンスト・マネジメント学長 ピーター・ドラッカー本人が策定に関与した博士課程の第1期卒業生。卒業後、空軍に戻り、最終的に少将まで昇進。その後は、カリフォルニア州立大学などの大学院で教壇に立ち、クレアモント大学院ピーター・ドラッカー&伊藤雅俊スクールでも教鞭を執る。 ドラッカーの手法をベースとして、修士号を比較的安価に提供することをミッションとした非営利組織、カリフォルニア・インスティテュート・オブ・アドバンスト・マネジメント(CIAM)の創設にかかわる。現在、その学長を務めている。
帯 カマート&カンパニー社長 ネビン・カマート |
帯2 香港ピーター・F・ドラッカー・アカデミー学長 ジュリア・ワン |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
Chapter1 実践なくして成果なし――現場から学ぶべきこと | p.19 | 9分 | |
Chapter2 自分の頭で考える――ドラッカー流思考法 | p.34 | 12分 | |
Chapter3 歴史書を読む――生涯学び続ける | p.53 | 10分 | |
Chapter4 正しい目を持つ――問題解決に必要な七つの能力 | p.70 | 4分 | |
Chapter5 営業はいらない――何よりもマーケティングを優先する | p.77 | 9分 | |
Chapter6 倫理と真摯さ――どんな自分でありたいか | p.91 | 9分 | |
Chapter7 自分に問う――五つの基本的な質問で問題を客観視する | p.106 | 13分 | |
Chapter8 常識にとらわれない――「みんなが知っていること」を疑う | p.127 | 12分 | |
Chapter9 最速の問題解決法――無知は最強の武器になる | p.146 | 12分 | |
Chapter10 調べてから勝負する――適切なリスクを見極める | p.166 | 10分 | |
Chapter11 観察し、分析せよ――結論から理論を構築する | p.182 | 12分 | |
Chapter12 自信を持つ――成功の絶対条件とは | p.202 | 12分 | |
Chapter13 変化し続ける――成功体験にしがみつかない | p.221 | 13分 | |
Chapter14 考え続ける――イノベーションを実現する | p.243 | 15分 | |
Chapter15 人に限界などない――優れた人事のポイント | p.267 | 12分 | |
Chapter16 成功のカギをにぎる8項目 | p.287 | 2分 |
アメリカ陸軍リーダーシップ [Amazonへ] |
エクセレント・カンパニー (Eijipress business classics) [Amazonへ] |
ドラッカー名著集1 経営者の条件 [Amazonへ] |
1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか! [Amazonへ] |
天才! 成功する人々の法則 [Amazonへ] |
ドラッカー名著集9 「経済人」の終わり [Amazonへ] |
創造する経営者 (ドラッカー名著集 6) [Amazonへ] |