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2018/09/20更新

パーパス・マネジメント――社員の幸せを大切にする経営

117分

2P

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幸福の起点はPurposeを持つこと

具体的に幸福度を上げるためには、まず何から取り組めばいいのか。幸福度向上の起点は個人が明確な「Purpose」を持つことである。Purposeとは、単純な目的ではなく、「存在意義」を表している。Purposeには、個人のものと、組織のものがあるが、個人のPurposeには、以下の2つの要素が含まれている必要がある。

①自身が大切にする価値観に沿っている
②社会的意義が含まれている

多くのミレニアル世代は自分の仕事に社会的な意義や自分としての意義を見出したいと考えている。収入や地位よりもそうした意義を大切にする人も多い。またミレニアル世代より上の世代であっても、そうした意義がある方がモチベーションが上がる。

個人と組織のPurposeの重なりが多いほど生産性が高まる

組織においてもPurpose=存在意義が重要である。Purposeがあることにより、組織においては一貫性のある戦略が描かれ、一体感が生まれる。また、Purposeに共感した社員が高いモチベーションでその能力と創造性を発揮することにより、大きな価値が生まれる。さらにPurposeから生まれた商品・サービスは顧客の共感や支持を生み、それが売上や利益となり、企業の持続的な繁栄をもたらす。

組織のPurposeも個人のPurposeと同様、「その組織の価値観」と「社会的な意義」を含むことが不可欠である。

社会的な意義も兼ね備えた組織のPurposeと個人のPurposeとに重なりが多い方が、個人も幸せで、組織の生産性が高まる。もし、個人や会社のPurposeが明確でなければ、まずはそれを明確にすることが必要である。

CHOが社員の幸せにつながる組織風土をつくる

一人一人が幸せに働ける組織をどのようにデザインしていくか。それには、CHO(Chief Happiness Officer)という経営職が果たす役割が重要となる。CHOはまず会社と個人のPurposeを「見える化」しなければならない。自分たちが本当は何を望み、目的としているのかは、実は当事者でも本質的な理解に達していないことが多いからである。

会社と個人のPurposeが完全に一致している必要はないが、一致度合いが大きい方が望ましく、Purposeを明らかにしていく過程で、自分では気づいていなかった重なりを再認識することもある。

CHOは、責任と権限を持って、経営課題として社員の幸せにつながる組織風土づくりに、CEOやCOOと協働して取り組むのが望ましい。そして、CHOは皆の「ロールモデル」になることが求められる。たとえ現場のリーダーが周囲に幸せを広げようとしても、マネジメントがそうでなければ、組織全体としては幸福度を上げようという風土は生まれない。