世界最高のエコノミストの一人である著者が、個人でもプロに勝てる投資の考え方を紹介している一冊。個人が資産運用するにあたって、最も賢明な方針が書かれています。
■価格と価値の関係は何で決まるのか
・資産の価値とは、誰かがそれを得るのに支払いたいと思う額である
・資産の価値とは、それが将来にわたって生み出すキャッシュである
前者を「時価会計」原則、後者を「ファンダメンタル・バリュー」と呼ぶ。ほぼすべての価値査定方法はどちらか一方の、あるいは両方の原則がもとになっている。
価格と価値、どちらの原則を当てはめるべきか。市場の価格は、ファンダメンタル・バリューと全く関係なく動く訳ではない。ファンダメンタル・バリューが価格に影響するからだ。市場の価格とは、ファンダメンタル・バリューの投票結果なのである。
この考え方からは、効率的市場仮説が導き出される。市場の価格が、様々な情報をもとにしたファンダメンタル・バリューについての推計値の平均であるなら、市場は狭い技術的な意味だけでなく、広い意味でも効率的と言える。つまり、市場の価格には入手可能なあらゆる情報が織り込まれている。
出費を抑える、できる限り分散する、逆張りで行く。3つのシンプルなルールは、ほぼ誰にでも役立つ。
著者 ジョン・ケイ
1948年生まれ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員教授 オックスフォード大学 セント・ジョンズ・カレッジ・フェロー エジンバラ大学、オックスフォード大学を卒業後、同大で講師として経済学を教えた。その後、英国で最も信頼されるシンクタンクである財政政策研究所でディレクター、オックスフォード大学のサイード・ビジネス・スクールの初代ディレクターなどを務める一方、多くの企業の取締役を歴任した。 英国政府から請われて証券市場改革案(ケイ・レビュー)を作成するなど専門家の立場から公共政策に関わり、大英帝国勲章を受章している。 フィデューシャリー・デューティー、ガバナンス・コード、スチュワードシップ・コードなどを提唱し、日本の金融庁などにも大きな影響を与えたことでも知られる。 20年間フィナンシャル・タイムズ紙に寄稿し続けたコラムニストとして、経済全般に関する鋭い洞察力と筆力で世界的に尊敬を集める世界最高のエコノミストの一人である。
帯 元イングランド銀行総裁 マーヴィン・キング |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 4分 | |
第1章 センス・アンド・ザ・シティ | p.15 | 6分 | |
第2章 知っておきたい投資の基本 | p.25 | 14分 | |
第3章 あなたにはどんな選択肢があるか | p.49 | 12分 | |
第4章 市場の効率性は完璧ではない | p.69 | 18分 | |
第5章 市場の心 | p.99 | 16分 | |
第6章 ファンダメンタル・バリューを探して | p.125 | 19分 | |
第7章 リスクと見返りについて ── ちょっとハイレベルかもしれない論証1 | p.157 | 25分 | |
第8章 2つの未知の世界 ── ちょっとハイレベルかもしれない論証2 | p.199 | 24分 | |
第9章 「手堅い投資家」の投資戦略 | p.239 | 10分 | |
第10章 「賢明なる投資家」の投資戦略 | p.255 | 20分 | |
第11章 「賢明なる投資家」の銘柄選び | p.289 | 12分 | |
第12章 顧客のヨットはここにある | p.309 | 8分 |
投機バブル 根拠なき熱狂―アメリカ株式市場、暴落の必然 [Amazonへ] |
史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか [Amazonへ] |
世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫) [Amazonへ] |
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理 [Amazonへ] |