ブロックチェーンの特徴は、エネルギービジネスにおいて役に立つ。ブロックチェーンのビジネスにおけるメリットを紹介しながら、そのメリットをいかにエネルギービジネスに活用していくか、事例と共に紹介する一冊。
■ブロックチェーンとは
ブロックチェーンを活用しているサービスとして最も有名なのは「ビットコイン」に代表される仮想通貨である。仮想通貨取引でのブロックチェーンの利点とは、「離れた相手との取引を誰にも邪魔されず2人だけで素早くできる」ことである。
ブロックチェーンを使う仮想通貨であれば、仲介者が必要ない。例えば、自分のスマートフォンからブラジルに送金する場合でも、送金手数料は数百円で済む。しかも相手には1時間もしないうちに届く。今までよりも「早く、安く、確実に」送金ができる。これは、ブロックチェーンが国の「信用力」と金融機関の「仲介業務」の2つの役割を代行してくれるからである。
ブロックチェーンは、集中的に力を持った1つの会社などの組織やシステムにコントロールを任せるのではなく、取引に参加する1人1人が相互に信頼し合って、助け合って管理していこうという考え方を持つ。そのため、ブロックチェーンでは、全ての取引履歴を参加者全員で共有する。そのため、誰かが故意に変更を行っても見破られることになる。
ブロックチェーンが実現できることには、次の3つがある。
①小さな価値の直接取引を実現
②業務の効率化、業務の自動化(スマートコントラクト)
③自分たちで証明書が作れる
この3つの特徴は、金融業に似た電力業において役立つと考えられる。
著者 江田健二
1977年生まれ。一般社団法人エネルギー情報センター 理事 大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社・大手化学メーカーなどを担当。アクセンチュアで経験したITコンサルティング、エネルギー業界の知識を活かし、2005年に起業後、RAUL株式会社を設立。 一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人エコマート運営委員、一般社団法人CSRコミュニケーション協会理事、現職。 「環境・エネルギーに関する情報を客観的にわかりやすく広く伝えること」、「デジタルテクノロジーとエネルギー・環境を融合させた新たなビジネスを創造すること」を目的に執筆・講演活動などを実施。
帯 元Google副社長 村上 憲郎 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 3分 | |
第1章 ブロックチェーンは、ビジネスにおいて何を実現してくれるのか? | p.13 | 12分 | |
第2章 新たに生まれる100兆円市場 急激な変化の渦中にあるエネルギー産業 | p.37 | 12分 | |
第3章 ブロックチェーンとエネルギーの可能性、そして越えるべき壁 | p.61 | 10分 | |
第4章 ファーストステップ:コスト削減、スピードアップ、そしてビットコイン 17社 | p.81 | 11分 | |
第5章 セカンドステップ:業界の垣根を越えて生まれるビジネスモデル 15社 | p.103 | 11分 | |
第6章 サードステップ:35年前の予言 エネルギービジネスの主役交代 19社 | p.125 | 18分 | |
第7章 日本から世界へ 果敢に挑戦する企業 | p.161 | 16分 | |
おわりに | p.193 | 4分 |