あらゆる分野でサブスクリプション型サービスが増加している。企業は「売る」から「長く使ってもらう」へと発想を変え、データを駆使して顧客を支援する必要があると説く。
■カスタマーサクセスとは
クラウド時代には本当の意味での顧客第一主義への移行が求められてきたが、顧客満足とカスタマーサクセスは必ずしも同義ではない。サブスクリプションモデルにおいては、企業は常に顧客が勝利するよう働きかけ続けなければいけない。うまくいっている企業では、1日も欠かさず顧客の成功を目指している。どの顧客も最高の経験をすべきだし、成功に向けた揺るぎない献身を企業から受ける価値がある。しかし、成功は標準化できるものではない。そのことを理解している企業が、最大の報酬を得られる。
顧客第一主義を究極まで取り入れるということは、顧客の話を聴き、クラウド、モバイル、ソーシャルメディア、分析技術などを活用して、自社のサービスを顧客の立場に寄せて運用するということだ。そして、顧客のまだ満たされていないニーズを深く理解するということである。その理解が自社の組織でカスタマーサクセスを運用するための戦略、チーム、仕組みを築く基盤となる。
■カスタマーサクセスの10原則
①正しい顧客に販売しよう
②顧客とベンダーは何もしなければ離れる
③顧客が期待しているのは大成功だ
④絶えずカスタマーヘルスを把握・管理する
⑤ロイヤルティの構築に、もう個人間の関係はいらない
⑥本当に拡張可能な差別化要因は製品だけだ
⑦タイムトゥバリューの向上にとことん取り組もう
⑧顧客の指標を深く理解する
⑨ハードデータの指標でカスタマーサクセスを進める
⑩トップダウンかつ全社レベルで取り組む
著者 リンカーン・マーフィー
シックスティーン・ベンチャーズ 創業者 カスタマーサクセスを通じて企業の成長を支援する。成長とカスタマーサクセスに関する執筆者であり国際的なスピーカーでもある。
著者 ダン・スタインマンゲインサイト CCO ゲインサイトが運営するカスタマーサクセス・ユニバーシティおよび関連する多数のブログの著者であり寄稿記事も多い。カスタマーサクセスの世界のソート・リーダーとして認められている。
著者 ニック・メータゲインサイトCEO 適切な人材を集め、顧客、取引先、従業員とその家族の成功のために最良の体制をつくっている。「他人から自分にしてもらいたいことを他人に対してせよ」という黄金律の強い信奉者であり、深い思いやりをもって人と関わっている。
帯4 ベッセマーベンチャーパートナーズ パートナー バイロン・ディーター |
帯 東京大学 本郷テックガレージ ディレクター 馬田 隆明 |
帯2 ズオラCEO ティエン・ツォ |
帯3 元セールスフォース CEO ジム・スティール |
日経ビジネスアソシエ 2018年 9 月号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序 文 | p.14 | 3分 | |
第1章 サブスクリプションの津波 | p.20 | 28分 | |
第2章 カスタマーサクセス戦略 | p.55 | 25分 | |
第3章 定期収益型でないビジネスにおけるカスタマーサクセス | p.86 | 23分 | |
第4章 カスタマーサクセスの実践 | p.116 | 3分 | |
第5章 原則(1) 正しい顧客に販売しよう | p.120 | 11分 | |
第6章 原則(2) 顧客とベンダーは何もしなければ離れる | p.134 | 13分 | |
第7章 原則(3) 顧客が期待しているのは大成功だ | p.150 | 14分 | |
第8章 原則(4) 絶えずカスタマーヘルスを把握・管理する | p.168 | 13分 | |
第9章 原則(5) ロイヤルティの構築に、もう個人間の関係はいらない | p.184 | 13分 | |
第10章 原則(6) 本当に拡張可能な差別化要因は製品だけだ | p.200 | 14分 | |
第11章 原則(7) タイムトゥバリューの向上にとことん取り組もう | p.218 | 13分 | |
第12章 原則(8) 顧客の指標を深く理解する | p.234 | 14分 | |
第13章 原則(9) ハードデータの指標でカスタマーサクセスを進める | p.252 | 14分 | |
第14章 原則(10) トップダウンかつ全社レベルで取り組む | p.270 | 13分 | |
第15章 最高顧客責任者(CCO)の登場 | p.288 | 19分 | |
第16章 カスタマーサクセスのテクノロジー | p.312 | 21分 | |
第17章 未来はどうなっていくのか | p.338 | 17分 |