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2018/06/28更新

AI後進国 ニッポンが危ない! 脱出のカギはディープラーニング人材の育成

141分

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AI後進国の課題

企業の動きとしては、2015年にリクルートが本格的なAI研究拠点を再編し、マシンラーニングの世界的権威をアドバイザーとして迎え入れた。2016年には、トヨタ自動車が、カリフォルニア州パロアルトに、AI技術の研究・開発強化に向けて新会社を設立した。投資規模は5年間で1200億円として当時話題になった。

しかし、米国企業や中国企業のAI投資額は、桁違いに大きい。アマゾンの年間2.5兆円、アリババの年間1兆円に比べると、5年間で1200億円という数字が小さく見える。

日本がAI後進国である理由について、東大の松尾特任准教授は以下のように指摘する。

①ディープラーニングに一番強い20代後半から30代前半にかけての人材に意思決定が任されていないので、取り組みが遅い。

②ディープラーニングに関する日本語の情報が、英語に比べて圧倒的に少ない。だがら日本にいる外国人研究者や技術者の方がディープラーニングをよく知っている。

さらに、米パロアルトインサイトの長谷川CTOは、日本人に対する課題について次のように指摘する。

「マシンラーニングを活用するための要素は3つ。人材、学習環境、データの3つ。日本企業はいずれも遅れている。人材については、米企業は優秀な研究者やエンジニアに年間3000万円以上の給料を簡単に支払うように、投資と見ている。課題は日本人の英語力。日本は英語力が圧倒的に弱いため、世界的なコミュニティーから取り残されている。」

ディープラーニング人材を育成せよ

短期間で「AI後進国」から脱出するための方策は、ディープラーニング人材の早期育成だ。ここ1〜2年でディープラーニング人材の早期育成に力を入れる動きが出てきた。ABEJAやGRID、PKSHA Technolory、クロスコンパスといったAIスタートアップ企業の経営トップが集まり、ディープラーニング人材の育成を通じて、日本企業のAI活用を促進して日本の産業競争力を高めるために、2017年に日本ディープラーニング協会を設立した。

ディープラーニング人材は研究者やエンジニアだけではない。ディープラーニングの真の価値を理解している経営者やビジネスパーソンも含まれる。後者が増えていかないと、ディープラーニングの活用が進まないし、AI後進国から脱出するための必須条件だと言える。

重要なのは、熱意のある人材が集まり、ノウハウが共有される場の創出である。