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2018/06/19更新

破壊――新旧激突時代を生き抜く生存戦略

299分

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勝者と敗者を分ける3つの原則

ディスラプションにおける勝者と敗者を分けるものとして、次の3原則があげられる。これらはディスラプションの中で生き抜く上での必要条件と言える。

①人間中心に考える
デザイン・シンキングとは「対象者の問題意識に共感し、問題を明らかにして、それを解決するアイデアを導出したら、アイデアを形にしたプロトタイプを製作、プロトタイプを実際に対象者に使ってもらい、試行錯誤を繰り返す」ことをいう。ディスラプターたちの思考には、常にデザイン・シンキングがあり、現代にも例外なく当てはまる。

日本企業の多くは今の事業の枠組みの中で効率性を上げるためにテクノロジーを導入することを考えた後に、顧客の利便性を図るための調整を行うという「自社事業の観点=インサイドアウト」の発想に終始しがちだ。しかし、現代のディスラプターたちは、まず顧客利便性が先にあり、それを実現するためにテクノロジーがあり、そして事業モデルがある。

②存在価値を見定める
ディスラプターがこの世に出現する時、彼らにとって唯一の武器は、どのような「他では得られないユニークな価値」を提供できるか、ということに尽きる。それは、言い換えると、その企業がこの世に存在する価値=存在価値は何なのか、ということだ。

企業としての社会での存在価値の有無は、組織として、そこで働く人たちを動かす上でも大きな違いをもたらす。人間のモチベーションというのは、個々人の欲求をいかにコントロールするかにかかっており、それが高次なものであるほど、人はより高いモチベーションを維持しうる。シリコンバレー企業の多くは、この「自己超越」を自社のミッション・ステートメントに盛り込んでいる。そこに集う人々のモチベーションを、組織の一員として自己を超えたところ=社会に対して何を提供するのかへと向かわせる、極めて強力なものとしている。

まずは自社が存在する理由は何なのか。「WHY」を自らに投げかけることが、私たちにとってのスタート地点になる。

③時空を制する
どれだけ他者の時間をコントロールすることができたか、そして地理的・空間的な制約を超えて、どれだけの広がりを持ってより多くの人をコントロール下に置くことができたか。このような「時間と空間」=「時空」を制することが、勝者と敗者を分ける大きな要素になっている。時間を制するとは、次の3つを押さえることが基本となる。

1.他者の時間を自分のものにする
2.時間を短縮し、時間を新たに作り出す
3.無価値の時間に価値を与える

時間を制すると共に「コミュニティ」というレイヤーによって人的空間を制することは、そこに存在する個々人の「評価」という感情を金銭換算できる経済空間を生み出すことを意味する。