トレハロース、インターフェロン、高純度マルトース、プルランなど、かつて世界でもオンリーワンの製品を開発してきた林原の元代表が、オンリーワンの製品を作るために必要なことを説いている一冊。
■明確な目的を設けない
「基礎研究」とは、ある程度の目的を方向性として掲げつつも、その時々の状況に臨機応変に対応して研究を進めていくもので、「ゴールの定められていない研究」と言える。「ゴールの定められた研究」は「応用研究」と呼ばれ、すでに存在する技術、技法などを応用して具体的な素材、製品を作ることを目的としている。
「林原」の研究者たちは、自分たちの知的好奇心の赴くままに研究を続けていた。そこには明確な目的もなければ「いつまでに仕上げろ」という締め切りのようなものも存在しない。このようなある意味「研究者任せ」なやり方は、地方の中堅企業だったからこそできた。
今の日本企業は「合理化」だけを進めてきたため、「独自の技術を生み出す」という余裕がなくなっている。かつて自分たちが作り上げた技術に未練がましくしがみついているばかりで、新たな技術を生み出そうという気概を失ってしまっている。
著者 林原 健
1942年生まれ。学校法人 順正学園名誉客員教授 林原 元代表取締役社長 林原では、トレハロース、インターフェロン、高純度マルトース、プルラン等、デンプンを元にした新しい糖質を開発、世界シェアを席巻する。 2011年代表辞任後は、独自のネットワークで開発を続けている。 科学技術功労賞(1975年)、藍綬褒章(1997年)。
帯 作家 養老 孟司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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まえがき | p.5 | 1分 | |
序 章 「iPhone」を開発できなかった日本企業の弱点 | p.15 | 5分 | |
第1章 「オンリーワン」の“モノ作り”に「市場調査」はいらない | p.27 | 11分 | |
第2章 世界に通用する、日本人の「独創心」 | p.51 | 15分 | |
第3章 海外企業に負けない「経営力」とは? | p.85 | 17分 | |
第4章 「日本型経営」の良さを見直す時がきた | p.123 | 17分 | |
終 章 常識を打ち破る、新たな戦い | p.161 | 9分 | |
あとがき | p.182 | 2分 |
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