大手精密機械メーカーにて35年間、製品開発や研究開発に従事してきた著者が、イノベーションを起こすための視点と考え方を紹介している一冊。
■ニーズの方向性に技術予測をマッピングする
イノベーションを起こすには、今後、世の中がどのような方向に進んでいくのか、また、人々のニーズがどこに向かうのか、ある程度予見することが不可欠である。そのための眼力を養うためには、これまでコンピューターを中心とした技術がどのように使われてきたのか、そしてどのような製品が人々に選好されてきたのか、それらの連鎖の流れを読むことである。
今後のニーズの方向性が見えてくればそれに技術予測をマッピングする、そして確実にビジネスとして成功させるにはどうすれば良いかを何度も反芻し、そして検証する、これがイノベーションの基本である。
■ニーズの連鎖を把握する
現在の踊り場から脱却し、鮮やかに蘇るためには、イノベーションを現実のものにするための手法あるいはイメージ作りが重要である。「イノベーションを起こすイメージ」作りをするには、コンピューター史の流れやそれを支えてきたソリューション史を振り返り、どのように潜在的ニーズが顕在化して機械やサービスが選好されてきたかという「ニーズの連鎖」を把握する習慣を持つことが大切である。
あくまでも社会に歓迎され浸透していくためには、起点は消費者の欲望にある。いくら新規性のある、高性能な技術を投入しても、消費者のニーズに応え、生活をより良いものにできなければ、それらが広まることはない。
また、このニーズの発生とそれに応えていく技術革新には、一種の「連鎖」のようなストーリー性がある。大事なのは、そのユーザーの欲望を解決するためにベンダーがどのようなソリューションを行ってきたのか。個々の技術革新が、どのような「使われ方の流れ」を読むことに成功し、あるいは失敗したのか、ということである。
著者 狩野 国臣
ベーネテック 代表取締役 大手精密機械メーカーにて35年間、製品開発や研究開発に従事する。その間、イノベーションに必要な技術予測や「ニーズの連鎖」等を意識した製品戦略を立案し、それを実現するためにプロマネとして数々の開発プロジェクトを成功に導く。 2015年にベーネテックを設立し、イノベーションコンサルティングパートナーとして経営コンサルティングを始める。
帯 ソラコム代表取締役 玉川 憲 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 3分 | |
第一章 イノベーションの波を捕まえる方法 | p.13 | 13分 | |
第二章 コンピューターの進化は未来を語る | p.37 | 34分 | |
第三章 今から起こすイノベーションのヒント | p.101 | 21分 | |
第四章 7つのテーマから情報へのグリッド力を磨く | p.141 | 34分 | |
おわりに | p.205 | 2分 |
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