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2018/05/01更新

–超訳より超実践– 「紙1枚! 」松下幸之助

161分

1P

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ポジティブ・フォーカス

「困っても困らない」
これは松下幸之助の名言の中でも有名なものである。要するに「何事もポジティブ・フォーカスであれ」というメッセージである。どんなに理不尽で不条理な出来事に直面したとしても、常に前向きに捉えていく。それが、他の名言を実践する上でのベースにもなっていく。

人間は無頓着なままだと知らぬ間にネガティブ・フォーカスの罠にはまってしまう。ネガティブ・フォーカスの癖を、ポジティブ・フォーカスにシフトするためには、「ポジティブなことにフォーカスできるような思考回路」を、自分の脳に癖づけていけばいい。そのやり方はシンプルで「癖になるまで、常に意識し続ければいい」。意識するには「紙1枚書いてみる」を活用する。

①「昨日の出来事」というテーマで「エクセル1」を書く。書いたら「昨日の出来事リストの中で、前向きな内容はどれか?」と問い、該当するものを赤ペンで丸く囲んでいく。
②松下幸之助の言葉を再読する。
③改めて同じ問いを立て、追加で前向きに捉えられたものがあれば、赤ペンで丸く囲んでいく。最終的には、すべて囲えるレベルを目指す。

素直

「経営というのは、天地自然の理に従い、世間、大衆の声を聞き、社内の衆知を集めて、なすべきことを行っていけば、必ず成功するものである。その意味では必ずしも難しいことではない。しかし、そういうことができるためには、経営者に素直な心がなくてはならない」

「素直な心」があってはじめて、松下幸之助の名言が実践できる。

「昨日の出来事」というテーマで「エクセル1」を書き、ポジティブに捉えられることを増やす練習を行った。仮に、青ペンでキーワードを13個埋め、その内の4個が赤ペンで囲えたとする。その後、松下幸之助の名言を読み返し、その世界観を自身に印象づけた状態で、さらに1個2個とポジティブに捉えられる出来事を増やす。

次に「私は、13個中4個についてポジティブに捉えることができる人間なんだな。それが松下幸之助の名言に触れたことで、もう2個だけ増やすことができた。自分は現状、そういう人間なんだな」と、言語化してみる。

自分を客観視し、単に事実として現状を把握する。これを「ニュートラル」の状態と呼ぶ。この「ニュートラル=素直に物事を客観的に捉えられる状態」は、「ポジティブ・フォーカス」以上に大切である。まずはニュートラルに捉え、その上で、そのことをポジティブに解釈するかネガティブに解釈するかは自由。ここに「素直さ」を目指す意義がある。

そのためには、自分の心をいったん自分の外へ出して、その出した心で自分自身を眺めてみること。つまり、紙に書き出してみることである。