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2018/05/15更新

トヨタの研修を20年続けたプロが直言する 現場をなめるな! ~自ら考え自ら動くリーダーの育て方~

151分

2P

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すべては「気づき」から始まる

研修では、参加者自らが考え、行動しながら学ぶことに大きなウェイトをかける。少人数のグループに分かれて行うディスカッションや討論、時には各自でテーマについて考え、文章化することなどを通して、受講者一人ひとりを動機付け、自己変革を加速させることが最大の目的である。

そこで大切なのが、受講者の「気づき」を引き出すことである。例えば、リーダーシップ研修で言えば、リーダーに求められる本質的な役割について、「上位方針に基づき、リーダーに求められているものは何か?」「知っていても、やれていないことは何か?」といった問いかけをする。これに対して自問自答を繰り返すことで、「意識の変容」が始まり、それが「気づき」につながる。「このままじゃイカン!」と参加者自身に痛感させることが大切である。研修を受けたからといって、その日から別人になれるわけなどない。そのきっかけや手がかりをつかむのである。

特に人間性に触れる教育の場合、通りいっぺんの講義では、気づきを引き出すことは難しい。受講者に「心の痛み」が伴う経験をさせることが必要である。

伸びるには「素直さ」と「内省力」が必要

教育によって伸びるために必要な資質は「素直さ」や自分を客観的に見つめることができる「内省力」である。たとえ頭脳明晰であっても、素直さや自分を見つめる力がないと成長するのは難しい。知識や学歴が邪魔するケースも多い。そんな人は「素直になる」ステップが必要である。

そこで研修では、受講者が「己をじっくり見る」ことから始める。行動や価値観、考え方は自己訓練で変容できる。自らを見つめ直し、自分で気づいたことなら、なおさら自己変革への効果は大きいはずである。

教え・教えられる

トヨタでは、人材育成の基本が職場のOJTに置かれている。一般に教育・研修制度とOJTは人材育成の両輪と言われるが、トヨタの場合は「OJTにつながる研修しかやらない」と言い切ってもいいほど、研修のフォローをしっかりし、実務に活かそうとする。

講師については、トヨタでは現場に精通したアドバイザーの活用(内製化)にこだわり、研修効果を高めている。トヨタには、「教え・教えられる」という企業文化がある。アドバイザー制は、その風土の上に成り立っている。また、先輩社員が新人をマンツーマンで指導する「職場先輩制度」もある。こうした職場だからこそ、次世代リーダーが輩出しているとも言える。

「自分の分身をつくれ」というのは、トヨタでよく使われる言い回しである。「部下を育ててこそ一人前」という意識が浸透しており、研修でも受講者の発言やレポートに「人材育成」という言葉が頻繁に出てくる。つまり、日常の中で人材教育が重要な業務の1つであり、当たり前のこととして定着しているのである。