多くの一流スポーツ選手に、効率よく「疲れ」が取れ、最高のパフォーマンスを発揮できる睡眠メソッドを指導してきた著者が、睡眠管理の手法を紹介している一冊。
■「体内時計」のリズムを制する
概日リズムとは、体内時計によって管理される24時間の体内サイクルのことだ。脳内に潜むこの時計は、私たちの体内システム(睡眠と食事のパターン、ホルモン分泌、体温、注意力、気分、消化機能)を、地球の自転と同調しながら24時間周期で動かしている。体内時計は外部からの合図を受けてセットされるが、その合図の主たるものは「日光」だ。気温や食事の時間なども合図となる。
メラトニンは私たちの睡眠を調節するホルモンである。暗い時間が長く続くことにより、睡眠準備のためにメラトニンが分泌される。夜間の最も能率的な睡眠の時間帯は午前2時から3時頃で、その後程なく体温が最低ポイントに達してから日が昇り、身体は目覚めていく。朝が近く頃に、メラトニンの分泌が止まる。これは、環境が「暗」から「明」へと移行するからだ。
PCから発せられる人工光は自然な睡眠プロセスを阻害する。だから、まっすぐベッドに直行はしない。PCをしまってから、しばらく寝ずに起きていると、脳は暗くなったことに反応してメラトニンを分泌する。
睡眠は「時間単位」ではなく「90分サイクル」で考える。就寝時刻は柔軟に考えて良い。ただし、起床時刻から90分単位でさかのぼった時刻に設定する。
睡眠は、単純に「質か量か」の問題ではない。平均的な人は、1週間に35サイクル(1日7時間半)が理想的。28サイクルか30サイクルあれば大丈夫。計画的に減らす時期以外で、これより少ない場合は、身体に負担がかかっているかもしれないと意識すること。
著者 ニック・リトルヘイルズ
スリープコーチ 睡眠習慣や寝具等、睡眠にまつわるあらゆる研究に30年を費やし、多年にわたる世界のトップアスリートへの睡眠指導によって、スポーツ界での睡眠への考え方を根本的に改めたスリープコーチの最高峰。 クリスティアーノ・ロナウドやデヴィッド・ベッカム、ウェイン・ルーニーなど世界トップクラスのサッカー選手やアスリートの睡眠管理に従事。クライアントはレアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルなどのサッカーチームから、イギリスから初のツールドフランスの優勝者を生んだチームスカイ、その他オリンピックやパラリンピック選手、ボクシング、ラグビー、ゴルフ、クリケット、セーリングの選手、チームなど多岐にわたり、プルデンシャル生命保険など企業でも指導を行っている。 英国王室も愛用するマットレスメーカー「スランバーランド」、英国スリープカウンシル会長などを経て現職。そのスポーツ界やビジネス界での成功に裏付けられたメソッドは、睡眠に悩む多くの現代人を救っている。
週刊ダイヤモンド 2018年 3/24 号 [雑誌] (劣化する伝統宗教 神社・仏教 大騒乱) リブロ営業推進部マネージャー 昼間 匠 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに 気分・回復力・パフォーマンスを激変させる | p.1 | 11分 | |
第1章 「体内時計」のリズムを制する――あなたのなかの「止まらない時計」 | p.34 | 9分 | |
第2章 「クロノタイプ」をフルに生かす――そもそも「朝型」か「夜型」か? | p.49 | 9分 | |
第3章 「時間」より「サイクル」で眠る――睡眠は「90分」のゲーム | p.64 | 13分 | |
第4章 睡眠前後の「ルーチン」で眠りを変える――最強のウォーミングアップ&クールダウン | p.86 | 19分 | |
第5章 日中に「回復時間」を導入する――「昼寝」に新たな光を当てる | p.119 | 16分 | |
第6章 自分だけの「スリープキット」を整える――パーフェクトな寝床を追求する | p.146 | 18分 | |
第7章 寝室を「回復ルーム」に変える――眠りは至高の環境で | p.178 | 13分 | |
第8章 「最高のスタート」の究極の秘訣――「90分サイクル」で完璧な1日をつくる | p.202 | 12分 | |
第9章 すべての「敵」を排除する――あらゆる「睡眠トラブル」を解決する | p.223 | 20分 | |
第10章 まわりにも「究極の睡眠」を与える――パートナーと子どもをぐっすり眠らせる | p.257 | 14分 |
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