踏み絵が共感を呼ぶ
ポリシーやコンセプトを提示した場合、想定される反応は3つある。
①共感
強く心が揺さぶられた人ほど、熱烈なファンになってくれる。
②無関心
特に良いとも悪いとも思わない。何を発信しても届かない。
③アンチ
「自分は苦手」「これは利用したくない」というように、受け入れがたいという感情を抱く。
このアンチをあぶりだすことがビジネスでは重要である。最初に特徴を明示することは、面倒なトラブルを避けることにつながる。これは「踏み絵」である。
「当社はこういうポリシーです」「この商品はこういう特性があります」といったことを知ってもらい、それでも良いと思った人は買い、嫌だと思った人には去ってもらう。エッジの効いたもの、ターゲットを絞り込んだものなど、個性が際立った踏み絵は、熱狂的なファンとアンチを同時に生み出す。そういう踏み絵だからこそ、共感してくれる人だけを引き寄せ、そうではない人を遠ざけることができる。
踏み絵の作り方
①視覚で分ける
ビジュアルを工夫すれば、取り込みたい層を引き寄せ、そうではない層を遠ざけることができる。
ex.『蒙古タンメン中本』『セブンイレブン 金のシリーズ』『レクサス』
②敵をつくる
自社のこだわりや企業姿勢を発信するコピーは、その考え方に共感する人を強く引き寄せる磁石であり、それ以外の人を遠ざけるバリアとなる。
ex.『遊べる本屋』(ヴィレッジヴァンガード)『初めての方にはお売りできません』(再春館製薬所)
③ターゲットで分ける
ターゲットは年齢等の属性ではなく、困っている中身でとらえる。不満や、不便を感じている人が思わず「それ、私のことだ」と言いたくなるネーミングが理想である。
ex.『ガチガチ専門店』『ヘルシア緑茶』『城南コベッツ』『ほろよい』
④地名で分ける
地名の豊かなイメージを取り入れ、その地を愛する人たちを強烈に惹きつける。
ex.『とど』(大分郷土料理店)『湖南菜館』(湖南料理店)『ヨーロピアン珈琲』『美ら海水族館』
⑤キャッチフレーズで分ける
興味関心を引くキャッチフレーズを作るには「サービスの特徴を伝える」「新しい需要を掘り起こす」という2つの方法がある。
ex.『理系ミステリー』(森博嗣)『すごい煮干ラーメン専門店』(凪)『人の死なないミステリー』(万能鑑定士Q)『食べるラー油』
⑥趣味嗜好で分ける
その分野が好きな人は、マニア心を満たす場を探しているし、そういう場に出合えたら引き寄せられる。
ex.『ペッツカールトン』(ペットホテル)『ミリの駅』(サバゲー専門店)『ガリバーシューズ』(大型サイズ靴店)