万人受けを狙わず、ターゲットを絞り込んで成功している商品やサービスの事例を紹介している一冊。ファンとアンチを同時に生み出し、共感を持ってくれる顧客を生み出すことの大切さを語っています。
■何に共感してもらいたいかを規定せよ
「たくさんのお客様に来て頂きたい」「多くの人に利用して欲しい」という発想は理解できるが、むやみに引き寄せればいいというものではない。
入るべき店を間違うことは、顧客にとっても店にとっても不幸である。例えば、辛い料理しか用意がない店に、辛いものが苦手な人が入ったとすると、ここでの食事は無理だと断念する。店としてもクレームにならないよう丁寧に接する必要があり、その時間や労力はもったいない。
共感してくれる人だけを引き寄せ、そうではない人を遠ざけるために最も大切なことは「何に共感してもらいたいのか」をきちんと規定することである。共感とは何もないところから自然発生的に湧いてくる感情ではなく、提示されているものに対して生まれる感情である。ポリシーや会社の理念、店のコンセプトといったものが提示されなければ、共感は生まれようがない。
唯一無二なもの、エッジの効いたもの、ターゲットを絞り込んだものなど、個性が際立ったコンセプトは、熱狂的なファンとアンチを同時に生み出す。そういうコンセプトこそ、共感してくれる人だけを引き寄せ、そうではない人を遠ざけることができる。
著者 中山 マコト
1954年生まれ。販売促進マーケター 「キキダス・マーケティング」実践者兼シンクロニスト 市場調査会社に入社後、マーケティング、販売促進、広告制作に携わり、小売業、飲食業、サービス業などの売上げ強化に辣腕を発揮。2001年、独自のキキダス・マーケティングを設立。以来、フリーランスとして活動。 小売業、サービス業を中心に、「お客様の声」からアイデアをいただき、お金をかけずに成果を最大化する「キキダスメソッド」で、多くの実績をあげる。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
日経トップリーダー |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.2 | 3分 | |
第1章 究極のメカニズム、踏み絵 | p.15 | 7分 | |
第2章 視覚で分ける | p.27 | 12分 | |
第3章 敵をつくる | p.49 | 11分 | |
第4章 ターゲットで分ける | p.69 | 12分 | |
第5章 地名で分ける | p.91 | 12分 | |
第6章 キャッチフレーズで分ける | p.113 | 13分 | |
第7章 趣味嗜好で分ける | p.137 | 10分 | |
第8章 3行錬金術 | p.155 | 20分 | |
最終章 特別対談 「蒙古タンメン中本」の看板はなぜ真っ赤なのか? | p.191 | 11分 | |
おわりに | p.210 | 2分 |