NASAジェット推進研究所で火星探査の技術開発に従事している著者が、これまでの宇宙探査の歴史と現在を紹介している一冊。今後、地球外生命を発見できるのか、様々な取り組みや仮説が書かれています。
■一千億分の八
異世界に生命はいるのか。この問いに対する人類の想像も、右へ左へと揺れている。何しろ我々はほとんど何も知らないのだ。人類が現時点で最も網羅的な探査を行った地球以外の世界は火星だが、それですら我々の知識は非常に限られている。火星は地球の全陸地とおよそ同じ面積がある。その広大な大地に降り立った探査機はたった7台。走行距離は70km強。これで何がわかるだろうか。
ほんの50年とちょっと前まで、情報を集める手段は望遠鏡しかなかった。やがて、スペクトル分析など新しい観測手法が生まれ、光だけでなく電波でも観測を行うようになって、得られる情報は増えた。間近から様々な観測を行うようになった。人類は太陽系の8つの惑星全てと数十の衛星、小惑星に探査機を送り込み、そのいくつかには着陸し、そしてその2つからサンプルを持ち帰った。それでもなお、現在の人類が得た情報は、知り合って3日目の転校生のようなものである。それだけ宇宙は広く、遠く、人類は非力である。
地球に生命が誕生したのはおよそ40億年前ということはわかっている。だが、どうやって生まれたのかはわからない。そして我々は地球以外の生命をまだ1つも知らない。
著者 小野 雅裕
1982年生まれ。NASAジェット研究所 技術者 NASAの中核研究機関であるJPL(ジェット推進研究所)で、火星探査ロボットの開発をリードしている。 2005年東京大学工学部航空宇宙工学科を卒業し、同年マサチューセッツ工科大学(MIT)に留学。2012年に同航空宇宙工学科博士課程および技術政策プログラム修士課程修了。2012年より2013年まで、慶応義塾大学理工学部の助教として、学生を指導する傍ら、航空宇宙とスマートグリッドの制御を研究。
帯 漫画家 小山 宙哉 |
日経新聞 作家 竹内 薫 |
PRESIDENT (プレジデント) 2018年6/4号(1年365日「マナー」大全) 京都大学大学院教授 鎌田 浩毅 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序 | p.3 | 2分 | |
プロローグ | p.14 | 1分 | |
第一章 幼年期の終わり―宇宙時代の夜明け | p.16 | 35分 | |
第二章 小さな一歩―技術者のアポロ | p.70 | 28分 | |
第三章 一千億分の八―太陽系探査全史 | p.114 | 32分 | |
第四章 Are we alone?―地球外生命探査最前線 | p.164 | 26分 | |
第五章 ホモ・アストロルム―我々はどこへ行くのか? | p.204 | 37分 | |
エピローグ | p.262 | 2分 |
COSMOS 上 (朝日選書) [Amazonへ] |