Amazonの物流戦略とその仕組みを解説している一冊。注文した商品が翌日届く裏に隠された、様々な物流効率化の仕組みが紹介されています。
■唯一の顧客との接点を大切にする
アマゾンの企業理念は「地球上で最も豊富な品揃え」「地球上で最もお客様を大切にできる企業であること」の2つである。この内「地球上で最もお客様を大切にできる企業であること」を追求するための手段が、物流へのこだわりである。
ネット通販事業者が、リアルの店舗における接客というサービス手段が取れない状況で、リアルの店舗に匹敵するサービスを提供するにはどうしたらいいか。アマゾンにとって、その答えは、唯一の顧客との物理的な接点である「顧客の手元へ商品を届ける」ところのサービスレベルを最大限まで上げる、ということである。これにより、顧客満足度を上げ、次の購入につなげることができる。
この商品の引き渡しというタイミングで顧客満足度に大きく影響するのは、主に「配送スピード」と「品質」。期待した時間に、注文したものが間違いなく、傷のない状態で届くことで顧客満足度が上がる。
なぜアマゾンは「今日中」にモノを届けられるのか。
その理由は、企業理念として顧客至上主義がベースにあり、それを具現化するための、優れた購買管理、注文管理、在庫管理、倉庫運営の仕組みがあるからである。
著者 林部健二
鶴 代表 米系ラグジュアリーブランドにてMDを経験後、2001年アマゾンジャパン立ち上げへ参画。サプライチェーン部門、テクニカルサポート部門責任者を歴任し、立ち上げからの約10年間アマゾンジャパンの成長に貢献する。 その後、大日本印刷、ドコモが出資するオンラインベンチャー企業及び大手ワイン会社にてEC部門を統括。 2014年 株式会社 鶴を設立。欧米企業のEC事業管理手法をベースに、数々の企業にて日本のオンラインマーケットにあったEC事業運営を構築、コンサルティングを行う。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
エコノミスト 2018年 2/20 号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 4分 | |
第1章 アマゾンが引き起こした激変 | p.17 | 24分 | |
第2章 アマゾンの物流戦略 | p.61 | 37分 | |
第3章 アマゾン物流を支えるロジカル経営 | p.129 | 29分 | |
第4章 日本企業はどうアマゾンに対抗すべきか | p.183 | 10分 | |
おわりに | p.202 | 2分 |
米国の通販サイト。インターネット上の商取引の分野で初めて成功した企業の1つである。…
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