行き過ぎた従順さや過度な用心深さ、延々と続く演説、委員会の冗長な運営、細かい言い回しをめぐる論争など、CIAの前身OSSが第二次世界大戦中に作成した「組織をダメにする」スパイマニュアルをもとに、組織を破壊させないための対策を紹介している一冊。
■サボタージュ・マニュアル
第二次世界大戦の最中、現CIAの前身である米国戦略諜報局(OSS)は、類まれな機密文書を発行した。OSS工作員は、ヨーロッパのレジスタンスに参加するメンバーを組織し、サボタージュ戦術の訓練をした。これらの手法は「サボタージュ・マニュアル」というごく薄い冊子で発行された。このマニュアルには、気づかれることなく敵組織を混乱させ、士気をくじくための簡単な方法が詳細に記載されている。
「タイヤに切り込みを入れること、燃料タンクに穴を開けること、出火させること、口論を始めること、おかしな振る舞いをすること、電気回路をショートさせること、機械部品を摩耗させることなど、めったに気づくことができない無数の個人的な行為を積み重ねることによって、枢軸国を消耗させ、目的の遂行を防ぐことができる。OSSとレジスタンス工作員は、内部から攻めるために、このマニュアル技術を使用した。
『サボタージュ・マニュアル』
http://www.bookvinegar.jp/book/12939/
サボタージュをあばき出し、それに対する予防接種を施すには、いくつかの段階が必要となる。
①識別
起こっているサボタージュを見つけ出し、よき振る舞いが境界線を越え、非生産的あるいは破壊的なものとなっているのを、他の者に見えるように促す。
②測定
望ましい行動の範囲、つまり許容範囲に対する期待値を導入し、生産的な行動を推奨し、サボタージュを防ぐ。
③修正
組織内のすべての人に、有害な行動を建設的な方法で、指摘することを許可し、そのための言語や技術を提供する。
④予防接種
サボタージュが再び起こらないように、そして低サボタージュ文化を発展させるための、ツール、測定基準、工程変更を導入する。
著者 キャリー・グリーン
ストラテジック・オフサイト・グループ パートナー 大規模な組織変革の際の戦略やリーダーシップ・カンファレンスなどで理事、シニア・エグゼクティブの相談役。 かつて「最も急成長を遂げた500 の法人組織リスト」に数えられたコンサルタント会社を共同設立した経歴がある。キャリーは主要なビジネススクールの客員教授である。
著者 ボブ・フリッシュストラテジック・オフサイト・グループ 業務執行パートナー 世界的な戦略促進指導者として認められており、多国籍フォーチューン10社やドイツのミッテルスタンドのビジネスなど、15か国にわたって遠隔オフィスを設計・設立した。
著者 ロバート・M・ガルフォードセンター・フォー・リーディング・オーガニゼイション 業務執行パートナー 管理者教育プログラムで教えるかたわら,世界的に指導的立場にある公営、私営および政府関係組織のシニア・エグゼクティブと仕事をともにする。 ハーバード大学デザイン大学院の管理者教育におけるリーダーシップ特別研究員であり、また全米法人理事協会の教授団に所属している。フォレスター調査団の理事でもある。
帯 劇作家 鴻上 尚史 |
帯2 メンタリスト DaiGo |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
1. 従順によるサボタージュ | p.1 | 21分 | |
2. 演説によるサボタージュ | p.31 | 18分 | |
3. 委員会によるサボタージュ | p.57 | 16分 | |
4. 無関係な問題によるサボタージュ | p.81 | 14分 | |
5. 論争によるサボタージュ | p.101 | 18分 | |
6. 以前の会議での決議を再び持ち出すことによるサボタージュ | p.127 | 15分 | |
7. 過度な用心深さによるサボタージュ | p.149 | 12分 | |
8. 「それはわれわれの仕事か?」によるサボタージュ | p.167 | 12分 | |
9. 《関係者すべてにCC》による現代のサボタージュ | p.185 | 8分 |
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