埋もれている成長を掘り起こす
競合他社に先んじるために営業リーダーは、ミクロ市場の分析を通じて豊かな成長が見込める鉱脈を突き止め、そこにリソースを結集することで、金脈を掘り当てる。成長の余地を見つけるアプローチの肝は、営業組織における次の3つの行動である。
①成長余地を見つける
ミクロ分析を行い、自社の強さや市場の魅力度といった市場特性を組み合わせることで、非常に細かいレベルで成長チャンスのありかを探る。
②他部門と連携する
ミクロ市場分析の効果の最大化には、営業以外の部門を巻き込む必要がある。
③環境の負担を軽くする
ミクロ市場戦略は分析に重点を置いているので、営業チームが細かなことに足を取られることなく、情報を効果的に活用できるようにすることが重要である。
ビッグデータから大きな成長を導き出す
ビッグデータを活用しているリーダーは、運の要素を極力排除している。潤沢なデータと強力なツールが揃っていれば、勘のみに頼る理由は全くない。ビッグデータから成長を導き出すには、3つの視点が重要になる。
①ビッグデータの源泉すべてから汲み上げる
顧客から多くのデータを引き出し、社外の情報提供者と提携し、先進的分析法や実験から知見を得る。
②営業をカスタマイズする
詳細なセグメント分けやパーソナライゼーション分析を用いて、買い手のニーズにぴたりと合う提案やアプローチを個別に編み出す。
③ビッグデータを営業の軸にする
営業戦略と営業文化の両面において、データの有用性、成長チャンスの発見、ビッグデータに基づく意思決定を土台にして競争優位性を強化する。
マルチチャネル営業をマスターする
複数のチャネルを通じて効果的に販売している企業は、単一のチャネルにこだわる企業と比較して営業投資対効果が4割以上高い。重要なことは、期待通りの顧客体験が提供できるように、チャネルを移行しやすくする柔軟性である。マルチチャネルの管理には次の4つに留意する。
①遠隔営業と訪問営業を組み合わせる
大半の企業ではリモートセールスを小口顧客向けの低コストチャネルとして採用しているが、一流の企業では従来のフィールドセールスと組み合わせることで、コストを抑えつつ成長を加速させている。
②オンラインとオフラインを融合させる
優秀なリーダーは、デジタルチャネルとその他の販売チャネルを融合させることにより、オンラインとオフラインで切れ目のない顧客対応をしている。
③直接チャネルと間接チャネルを連携させる
自社とチャネルパートナー双方の能力を生かす営業アプローチをとっている。
④サービスチャネルを販売戦略に組み込む
顧客へのサービスをさらなる販売チャンスとして効果的に利用している。