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2018/04/05更新

組織は変われるか――経営トップから始まる「組織開発」

209分

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組織開発の3原則

組織の活性度や健全性の向上に本気で取り組むなら、会社の理念や経営トップのビジョンを軸に、現在の仕事そのものを見直す必要がある。具体的には、問題を解く方法を探すのではなく、問題を解く人そのものが変わらなければならない。「何が課題なのか」という認識を変えることで、問題の設定そのものを変えるのである。さらに、仕事を与える人と受ける人、両方の認識を同時に変える必要がある。組織開発の原則は次の3つ。

①経営トップから始める
組織開発において、まず会いに行ってコミットメントを得る必要があるのは、経営トップ以外にありえない。事務局はトップをスポンサーに据え、トップの後ろ盾を得る必要がある。なぜなら、組織開発を全社に展開できるかどうかは「この話は誰が言ったのか?」にかかっているからである。

②各層のコンセンサス
経営トップとの対話の後に、役員との対話(役員合宿)を行う。役員合宿には経営トップも参加して、役員に自分の想いを伝える。それに対して、役員・本部長も本音で応えておき、これからどうしていきたいか対話していく。役員のコンセンサスが得られたら、次は部長と対話し、コミットメントを引き出す必要がある。

③当事者主体
最も当事者意識を持ち続けなければいけないのは、事務局のメンバーである。事務局が当事者意識を失えば、組織開発は頓挫する。組織で起こっている問題の一部は自分であることを認識してもらう「自分ごと化」には、まず事務局自身が、本物の当事者であることを体現しなければならない。

経営トップはどうすれば本気になるか

社長のコミットメントを得るには、対話のプロセスを意識することが重要だ。それには次のステップがある。

①現状の認識をすりあわせる
好業績の陰で、組織のどこで、どんな問題が起きているか?

②リスクシナリオを提示する
このままだと、何が起こりそうか

③組織課題の本質を見極める
「経営への信頼」が揺らいでいないか?

④組織開発のプロジェクトを提案する
どんな打ち手が必要なのか?

⑤トップの想いを引き出す
従業員にどんなメッセージを伝えたいか?

組織開発に対する社長の本気が芽生えるために、事務局メンバーには「このままでは、自分たちの会社の未来が危うい」という危機意識が求められる。健全な危機意識こそが、事務局の本気度を高め、それが社長に伝わる。

変革の機運はどうやってつくるか

事務局は、かつての上司や同僚、同期などの人脈を駆使して、社内の反応を積極的に探ることが重要だ。社長のメッセージに反応しているのは、どの階層か、どの部門か。イベントのアンケートでは拾えない、若手・中堅・シニアの生の声を集めて整理しておくと、役員合宿で参加者を刺激する材料となる。