研修をいくらしたところで、組織は変わらない。いかに組織の健全性を高め、活性化すれば良いのか。組織開発の原則を紹介し、組織を改革するための方法を示す一冊。
■当事者の主体性こそが鍵
組織開発とは、経営トップから現場社員にいたる人々が対話を重ねていき、自分たちの見方や前提を見直したり探求したりすることで、一人一人の行動や考え方が変わることだ。対話によって、部下や同僚や上司との関係性が変わり、交わす言葉が変わる。
事務局(主に経営企画部や人事部の有志)が組織開発に関心を持つきっかけは、従業員の意識調査であることが多い。従業員の意識調査の数値や、退職者や休職者の推移といった事実を明らかにすることで、組織の活性度や健全性への注目が高まり、経営会議でも話題にのぼるようになる。
だが、意識調査の数値が悪化し、退職や休職をする人の数が増え、その結果が経営陣に報告されているだけでは、組織開発は始まらない。事務局の危機意識が経営陣に伝わり、組織課題について経営陣が「私たちの責任だ」と捉えるようになって初めて、全社を巻き込んだ組織開発のプロセスをスタートさせることができる。
組織開発の原則
①経営トップから始める
②各層のコンセンサス
③当事者主体
組織の活性度や健全性の向上に本気で取り組むなら、会社の理念や経営トップのビジョンを軸に、現在の仕事そのものを見直す必要がある。
組織開発に対する社長の本気が芽生えるために、事務局メンバーには「このままでは、自分たちの会社の未来が危うい」という危機意識が求められる。
著者 加藤雅則
1964年生まれ。組織コンサルタント 日本興業銀行、環境教育NPO、金融庁検査官、事業投資育成会社を経て、米国2大コーチ養成機関であるCTI日本支部の設立に参加。日本におけるコーアクティブ・コーチングの普及に取り組んだ。現在はアクション・デザイン代表。 2001年よりコーチング、ファシリテーション、コンサルテーション、ナラティブ・アプローチなどに基づく独自の対話手法を実践。これまで支援してきた企業は東証一部上場企業を中心に、中堅企業、オーナー企業、外資系企業など多岐にわたる。
帯 AGC旭硝子 代表取締役 島村 琢哉 |
帯2 南山大学 教授 中村 和彦 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 7分 | |
第1章 事務局はまず何をすべきか[組織コンサルタントとの対話] | p.17 | 28分 | |
第2章 経営トップはどうすれば本気になるか[社長との対話] | p.57 | 32分 | |
第3章 変革の機運はどうやってつくるか[役員との対話] | p.103 | 33分 | |
第4章 現場のアクションにいかにつなげるか[部長との対話] | p.151 | 42分 | |
第5章 組織開発はどうすれば自走するか[自分との対話] | p.211 | 16分 |
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