近年、新規事業を生み出すための新しいシステムとして注目されている「スタートアップスタジオ」を解説する一冊。起業経験者、マーケター、投資家、エンジニアなど、事業開発の各専門家を集め、次々に新規事業を生み出す仕組みを紹介しています。
■スタートアップスタジオとは
スタートアップスタジオとは、スタジオ内にある様々なリソースを使いながら、次から次へとイノベーティブな企業を立ち上げていく、新しい組織形態のことである。いわば「連続してイノベーションを生み出す集団」であり、ハリウッドの映画スタジオに例えられることも多い。起業したいと考える人や大企業の新規事業担当者などが、スタジオ内にいる事業開発の各種専門家たちと共にイノベーションを生み出していく。
この組織は持続的で、多方面にわたる起業支援の再現性も高いものとなっている。それゆえ、「ベンチャービルダー」「スタートアップファクトリー」「ファウンドリー」などと呼ばれることもある。
昨今、スタートアップスタジオは世界的に増加傾向で、新規事業創出の新たなトレンドとなりつつある。スタジオをうまく活用すれば、少ないリスクで効率よくスタートアップを立ち上げることができる。
スタートアップスタジオは、起業家やイノベーターが新しいコンセプトを次々に打ち出す上で理想的な場を提供する。
著者 アッティラ・シゲティ
ドルッカ・スタートアップスタジオ COO IBM、シティグループを経て起業。現在はハンガリー・ブタペストにあるドルッカ・スタートアップスタジオのCOOを務め、世界中で勃興しているスタートアップスタジオの調査を目的とした「ビッグ・スタートアップスタジオ・スタディ(Big Startup Studio Study)」というプロジェクトの発起人でもある。 これまでに世界各地で50を超えるスタートアップスタジオを調査している。
帯 早稲田大学ビジネススクール准教授 入山 章栄 |
TOPPOINT |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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一章 8つのポイントで徹底分析 スタートアップスタジオの基 | p.29 | 25分 | |
二章 伝説のスタジオ、ベータワークスの物語 ベータから生まれる | p.71 | 11分 | |
三章 米タンパのケースに学ぶスタジオ運営の課題 時代の先を行く | p.89 | 13分 | |
四章 ハンガリーのラボ・クープ流スタジオ運営術 完全共同所有のベンチャービルダーをゼロから立ち上げる | p.111 | 8分 | |
五章 ミディアラボが北欧を席巻しているワケ メガトレンドからスタートアップを立ち上げる | p.125 | 12分 | |
六章 オランダのスタジオが実践する組織風土のつくり方 文化は動詞 | p.145 | 11分 | |
七章 複数のスタートアップをうまく育てる方法論 ゲームプラン | p.163 | 15分 | |
八章 著者自らが経験したスタジオ発展のプロセス 限界を押し広げる | p.189 | 8分 | |
九章 大企業とスタジオのより良い関係 増加するコーポレート・スタートアップスタジオ | p.203 | 14分 | |
十章 改めて押さえておきたいスタジオ運営の基本原則 スタートアップスタジオ戦略 | p.227 | 6分 | |
十一章 大局的な視点で見るスタジオモデルの可能性 イノベーションコンベアー | p.237 | 22分 | |
十二章 学生の研究グループが調べた「ブームの今後」 スタートアップスタジオ2.0 | p.275 | 11分 |