証拠に基づく「成功するためのルール」をまとめた一冊。様々な事例から、本当に人生で成功するために必要な法則を紹介しています。
■なぜ首席は億万長者になれないのか
高校を首席で卒業した人の多くは仕事で順調に業績を重ねるが、彼らの圧倒的多数は、それぞれの職能分野を第一線で率いる方ではない。調査によれば、学校で優秀な成績をおさめる資質そのものが、一般社会でホームランヒッターになる資質と相反する。高校でのNo1が実社会でのNo1にならない理由は2つある。
①学校とは言われたことをきちんとする能力に報いる場所である
学力と知的能力の相関関係は必ずしも高くない。学校での成績は、むしろ自己規律、真面目さ、従順さを示すのに最適な指標である。
②学校は全ての科目で良い点を取るゼネラリストに報いる
学生の情熱や専門的知識はあまり評価しない。ところが、実社会に出れば、大多数の者は、特定分野でのスキルが高く評価され、他の分野での能力はあまり問われないという仕事に就く。
首席たちはただ規則に従い、専門的知識や深い理解よりひたすらAを取ることを重んじる。しかし、学校には明確なルールがあるが、人生となるとそうでもない。だから定められた道筋がない社会に出ると、優等生たちはしばしば勢いを失う。ルールに従う生き方は、成功を生まない。良くも悪くも両極端を排除するからだ。
成功は様々な形でやってくる。私たちはよくメディアで見るような成功の極みに憧れ、重要なのは自分なりの成功だということを忘れる。自分オリジナルの成功を定義してこそ、それを達成できる。
成功者となるために、覚えておくべき最も重要なことは「調整すること」だ。成功とは、1つだけの特性の成果ではない。それは「自分はどんな人間か」と「どんな人間を目指したいか」の2つを加味しつつ、そのバランスを調整することだ。
成功の秘訣は、強みであるスキルを最適な職務で活かすこと。周りをギバーに囲まれたギバーになること。前進できる形で社会と繋げてくれるストーリー。あなたを助けてくれるネットワークと、本来の内向性、外向性を活かせる仕事。物事を習得する時も、失敗した自分を許す時も、絶えず自分を前進させてくれるセルフ・コンパッション。そして、多方面で豊かな人生をつくる4要素間のバランスである。
最適なバランスを見つけるには「汝自身を知れ」に尽きる。
著者 エリック・バーカー
ブログ“Barking Up The Wrong Tree”執筆者 脚本家としてウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、20世紀フォックスなどハリウッドの映画会社の作品に関わった経歴をもち、『残酷すぎる成功法則―9割まちがえる「その常識」を科学する』は、初の書き下ろしにして全米ベストセラーとなる。
帯 作家 橘 玲 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
週刊ダイヤモンド 2017年11/25号 [雑誌] (山一・拓銀 破綻から20年 バブルで日本は何を失ったか) 三省堂書店有楽町店主任 岡崎 史子 |
TOPPOINT |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序 章 なぜ、「成功する人の条件」を誰もが勘違いしているのか | p.14 | 4分 | |
第1章 成功するにはエリートコースを目指すべき? | p.19 | 27分 | |
第2章 「いい人」は成功できない? | p.51 | 32分 | |
第3章 勝者は決して諦めず、切り替えの早い者は勝てないのか? | p.89 | 71分 | |
第4章 なぜ「ネットワーキング」はうまくいかないのか | p.174 | 51分 | |
第5章 「できる」と自信を持つのには効果がある? | p.235 | 33分 | |
第6章 仕事バカ…それとも、ワーク・ライフ・バランス? | p.275 | 61分 | |
結 論 本当に人生を成功に導く法則は何か | p.348 | 8分 |