認知率が高いと売れない
人は商品情報や広告に接した瞬間に、その商品やブランドや場所、サービスを3つのフォルダに素早く、無意識に仕分けをする。
①「行かない/買わない」
②「行ってもいい/買ってもいい」
③「行きたい/買いたい」
一度、「行かない/買わない」フォルダに入ってしまうと、その企業や商品の広告は心の奥まで届かなくなる。さらに、一度「行かない」と思った場所へは、なかなか「行く」とはならない。
「認知率が高い」とは「ほとんどの人が、その商品やブランドを心の中の3つのフォルダに振り分け終わっている状態」を意味する。従って、「ひらパー」の認知率100%というのは、ほとんどの人にとって「行かない場所」になっていた。
地元愛×メジャーな存在で「応援行動」が生まれる
予算が潤沢でない「ひらパー」に人を呼ぶため、持っている資産をリニューアルした。広告キャラクター「ひらパー兄さん」を刷新し、来園に結びつけた。
「自分の地元を愛してくれる人を、人は好きになる。さらに、その人がメジャーであればあるほど嬉しさが増し、地元愛が強まり、かつその人やその場所を応援したくなる」
自分の言葉で「ひらパー」の魅力を語ることができ、枚方への地元愛があるメジャーな著名人として、岡田准一さんを起用できた。「ひらパー兄さんに岡田准一」というニュースの反響は凄まじかった。
「行かない」フォルダから「行ってもいい」フォルダに移動させるために、重要なのが、PR、第三者からの情報である。ひらパーは知っているけど行かない時、第三者から「ひらパー意外と面白かった」というポジティブな情報に接すると、「行ってもいい」フォルダに移動しやすくなる。岡田さん自ら「ひらパー」愛を伝えてもらい、それを戦略的に拡散することで、来園者数は急増した。
行く理由を2つ作ると、人は動く
例えば、温泉だけではそこまで行く気にならなくても、温泉とアウトレットがあるとわかったら「行ってもいい」になる。行く理由が1つだけだと行く気にならないけれど、行く理由が2つになると行こうかなと思ったりする。
「岡田さんがひらパー兄さんと園長を兼任。そして過去10年間で2回しか達成できていない年間来園者数100万人達成に、自らの進退をかける」
「ひらパー」に足を運ぶ理由を2つ以上作るため、岡田さんが進退をかけて年間来園者数100万人に挑戦するキャンペーンを行った。「ひらパー」に行く理由の1つ目として、「人気のあるキャラクターを応援するために足を運ぶ」を作った。2つ目の理由として「面白い新アトラクション」を作った。予算がない中で「ひらパー」に以前からあるジェットコースターやフリーフォールに、目隠しをして乗る世界初の絶叫アトラクション「目隠しライド」を考えた。