来園者の減少に悩んでいた関西の小さな遊園地「ひらかたパーク」はなぜV字回復したのか。ひらパーをV字回復させたクリエイティブ・ディレクターが、人を行動させるための企画術を紹介している一冊。
■崖っぷちの「ひらパー」
「ひらかたパーク」は東京ディズニーランドやUSJのように全国からお客さんを集める巨大アミューズメント施設ではなく、地域の人々をターゲットにした地域密着型の小さな遊園地である。大阪と京都の中間に位置する大阪府枚方市にある。愛称は「ひらパー」、関西地方での認知率はほぼ100%である。「ひらパー」は2017年で開園から106年目を迎える日本最古の遊園地である。
ひらパーには、お笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」の小杉竜一さんを起用した「ひらパー兄さん」という広告キャラクターがいた。しかし、「ひらパー兄さん」も見慣れられてしまい、広告予算も少なく、新しいアトラクションもない「ひらパー」の年間来園者数は、最盛期の160万人から2011年には87万人まで落ちてしまうなど、減少の一途をたどっていた。
■人々を行動させるツボ
①地元愛×メジャーな存在で「応援行動」が生まれる
②PR(第三者情報)によって、行ってもいい、行きたい状態にする
③行く理由を2つ作ると、人は動く
④結果が読めない、筋書きのないドラマやストーリーを作ると人々を巻き込める
⑤意外な人数が行っていると、面白いのかもと思ってもらえる
⑥人は、一般常識とは逆の情報に接すると、その理由を確認したくなる
⑦「かわいそう」×「頑張る」何度負けても立ち上がる姿を、人は応援する
著者 河西智彦
1976年生まれ。博報堂 クリエイティブディレクター さまざまな手法と感情設計で「クライアントのビジネス成果」と「クリエイティビティ」を両立するコミュニケーションデザインをおこなう。 アウディジャパン、森永製菓「ハイチュウ」、剣と魔法のログレス「吉田部長シリーズ」、進研ゼミ、花王アジエンス、トヨタ自動車、UHA味覚糖グミガーム、味の素「鍋ドン。」などの大型クライアントで結果を残すだけでなく、「ひらかたパーク(大阪コピーライターズクラブグランプリ)」(関西)、琉球放送「歩くーぽん」、スペースワールド「なくなるヨ、全員集合」(九州)、岩手日報「最後だとわかっていたなら(新聞広告電通賞受賞)」「個人向け号外発行サービスIWATTE(カンヌライオンズ金賞受賞)」、大阪経済大学「視点を増やせば、世界は倍、楽しくなる」、大日本除虫菊「電池切れまで、遊んでおいで。」、など逆境にある地域クライアントを話題化させV字回復させた事例も多い。 宣伝会議コピーライター養成講座講師、広告賞の審査員実績も多数。大阪経済大学非常勤講師、全国各地での地域創生に関する講演講師なども務める。
帯 放送作家 小山 薫堂 |
週刊東洋経済 2017年11/11号 [雑誌](薬局の正体 膨張する利権と薬学部バブル) |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序 章 制約は最強のアイデアを生むチャンス。崖っぷちはアイデアひとつで逆転できる。 | p.9 | 6分 | |
第1章 ひらかたパークの奇跡 | p.19 | 36分 | |
第2章 崖っぷちからの発想に必要な2つの「意識」 | p.83 | 16分 | |
第3章 結果を出すWebのつくりかた〜崖っぷちのWebキャンペーン〜 | p.111 | 32分 | |
第4章 どう知ってもらうか〜崖っぷちのWebキャンペーン〜 | p.167 | 24分 | |
第5章 自走サイクルを発見して回す | p.209 | 26分 | |
第6章 公式集 | p.255 | 15分 |