生まれた頃から何もかもが揃っていた今の世代は、お金や地位のために頑張ることはできない。上の世代と下の世代のモチベーションのギャップを解説し、今後活躍するためにはどうすればいいのかを紹介している一冊。
■働くための価値観が大きく変わってきている
アメリカ人心理学者のマーティン・セリグマンが唱えたように、人間の欲望というのは「達成」「快楽」「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」の5つからなる。
団塊世代以前は前の2つ「達成」「快楽」を強く欲した。汗水垂らして頑張って、高い目標を達成する。そして、そのご褒美として、美味しい料理を食べ、ワインを飲み、きれいな女性と一夜を共にするなどの「身体的・心理的・社会的な快楽」を味わうことが幸福のカタチだった。
しかし、生まれた頃から既に何もかもが揃っていて、物や地位などを欲して頑張ることのない30代以下の世代、何かが欲しいと「乾けない世代」は、後ろの3つ「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」を重視する。何か大きな目標を達成するため「身体的、心理的、社会的な快楽」を味わうことのためだけに、一心不乱に頑張ることができない。
「達成」「快楽」「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」の幸せの5つの軸の中で、上の世代は「達成」と「快楽」を追求する人が多い。一方で「乾けない世代」は「良好な人間関係」や「意味合い」を重視する人が非常に多い。仕事よりも、個人や友人との時間が大事。何気ない作業の中にも「今、自分がこの作業をやっている意味」を見出せないと、途端にやる気が起きなくなる。「没頭」タイプの人も多く、「いくら稼げるか」よりも「仕事に夢中になって時間を忘れてしまった」ということに喜びを感じる。
モチベーションの変化は目に見えないが、この「モチベーション革命」を正確に捉えられなければ、自分をドライブできないし、チームとしても仕事と人を上手く動かすことはできない。
著者 尾原 和啓
1970年生まれ。IT批評家・藤原投資顧問シニアアドバイザー マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート(2回)、Google、楽天(執行役員)などの事業企画、投資、新規事業などに従事。現在は、インドネシアのバリ島に居を構え、日本と往復をしながら現職を務める。 ボランティアで「TED」カンファレンスの日本オーディションに関わるなど、米国シリコンバレーのIT事情にも詳しい。
帯 YouTuber HIKAKIN |
帯2 筑波大学 学長補佐 落合 陽一 |
日経ビジネスアソシエ 2017年 12月号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.2 | 4分 | |
第1章 「乾けない世代」とは何か? | p.14 | 14分 | |
第2章 偏愛こそが人間の価値になる | p.44 | 22分 | |
第3章 異なる「強み」を掛け算する最強チームの作り方 | p.90 | 28分 | |
第4章 個人の働き方 | p.150 | 39分 | |
おわりに | p.232 | 6分 |
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