インプット
新しいものを考え出すプロセスの中で特に重要なのは、良質なインプットである。「何を集めるか? どう集めるか?」という段階から楽しいアイデアを盛り込んでいくと、独創的なアウトプットにつながる可能性が高くなる。インプットでは、次の2つからスタートする。
①そもそも何を調べるか
ここで大事なのは「問い」である。「問い」の内容によって、調べる内容や対象も異なる。凡庸な「問い」からは、凡庸な発見しか生まれない。インプットにおける問いの原則は、オープン・クエスチョンである。回答者の側が自由に回答できるため、何が返ってくるかわからない。聞いた側が想定していない、新しい発見に出会える可能性がある。
②どうやって調べるか
ネットを使った検索は多くの情報をすぐに調べることができるが、手軽な分情報としての希少性はない。誰もが思いつくような方法ではなく、調査自体にオリジナリティを持たせることで、アウトプットの質を高めることができる。リボン思考では、テーマに関する思わぬ気づきを得るための調査(探索型調査)を重視し、「デスクリサーチ」「定量調査(アンケート)」「定性調査(観察・聞き取り)」などの手法を用いる。
アイデアの質は量に比例する。多面的に情報収集するには、複数の視点から情報を集めることが大切である。
コンセプト
コンセプトとは「一言でいうと何なのか?」である。優れたコンセプトは、3つの「K」を備えている。
①共有力(言いたいことがわかりやすく明確で、関係者で共有できる)
②期待力(関係者や生活者にとって驚きやワクワクを期待させる)
③起点力(コンセプトを聞いただけで、様々な領域のアイデアが湧く)
コンセプト作りには正解が存在しない。次の4つの思考モードを常に意識しながら、コンセプトの考え方そのものを自由に考える。
①俯瞰する(物事を客観的に捉える。視野を広げ、立ち止まって俯瞰する)
②分類する(分類・整理し、物事を分けることでシンプルにして理解する)
③掘り下げる(物事の背景や根源的な部分に思いを巡らせ、追求する)
④混合する(一見関係ないようなものや情報を組み合わせる)
アウトプット
アウトプットのフェーズでは、次の4つを行う。
①コンセプトの持つ意味合いをより具体的にする
②コンセプトを起点に、アイデアをさらに広げる
③コンセプトから、アイデアをもう一段ジャンプさせる
④コンセプトを基準に「やらない」ことを明確にする
ポイントは、コンセプトを土台にして、とにかく量を出して、絞っていくことである。その際、1つの統合性を維持しながら考え、ストーリーを語れるようにすることが大切である。