東大の教養学部で東大生が殺到する授業「考える力の教室」を書籍化したもの。様々な思考の型を紹介した上で、ゼロから物事を考えるための方法を述べている一冊。
■考え方を考える
「新しいアイデア」を出すためには、決まったプロセスにそって物事を考えるのではなく、常に「考え方を考える」という姿勢が最も大事である。新しい考え方のプロセスが創造できれば、生まれてくる考え方も当然、新しくなる。
ただ、全く型がないと、考える際にもどこから手をつけていいかわからなくなる。この考えるための基本フレームを「リボン思考」と呼ぶ。リボン思考は、3つのステップから構成される。
①事実について考える(インプット)
②解釈について考える(コンセプト)
③解決策について考える(アウトプット)
3つのステップを常に頭の中で意識することで、今まで漠然と考えていたことが「どの段階で考えているのか?」が明確になり、これまで以上に「考え方を考える」ことを意識できるようになる。
リボン思考とは、「考え方」を創造する行為である。リボン思考は、インプット(創造的な事実発見)、コンセプト(創造的な統合解釈)、アウトプット(創造的な具体化)という3つのステップから構成される。それぞれの段階で共通に行うべきことは、考える方法をまず考える行為である。
つまり、「こうすれば答えが出る」という正解の手順は存在しない。リボン思考の本質は、決まったフレームや手法論に従うのではなく、そのフレームやプロセスそのものを発想することにある。
著者 宮澤 正憲
東京大学 教養学部教養教育高度化機構 特任教授 博報堂 ブランド・イノベーションデザイン局長 博報堂に入社後、多様な業種の企画立案業務に従事。 2001年に米国ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院卒業後、ブランド及びイノベーションの企画・コンサルティングを行う次世代型専門組織「博報堂ブランド・イノベーションデザイン」を立上げ、経営戦略、新規事業開発、商品開発、空間開発、組織人材開発、地域活性、社会課題解決など多彩なビジネス領域において実務コンサルテーションを行っている。 同時に東京大学教養学部に籍を置き、発想力とチーム力を鍛える授業「ブランドデザインスタジオ」や大学生を対象にした発想のための教育コンテストBranCo!を企画・運営するなど高等教育とビジネスの融合をテーマに様々な教育活動を推進している。 成蹊大学非常勤講師。イノベーション支援サービスを提供するSEEDATA非常勤取締役。
帯 タレント 乃木坂46 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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1時限目 「考える力」とは何か? | p.1 | 7分 | |
マインドセット 「考えない頭」にすぐ効く! 3つの処方箋 | p.21 | 8分 | |
2時限目 インプット | p.37 | 39分 | |
3時限目 コンセプト | p.113 | 24分 | |
4時限目 アウトプット | p.159 | 24分 | |
5時限目 共創力で考える | p.205 | 14分 | |
おわりに | p.232 | 6分 |
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