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2017/10/12更新

迷いの先に 仕事と人生の羅針盤

190分

2P

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Whatを追求せよ

「How」が重要であった時代には「自前主義」のような自己完結のやり方の方が効率的であった。しかし、このやり方では、肝心な「What」の解を見出すことは容易ではない。ヒントは、持続的な社会の実現につながる新しい産業連関にある。その実現には資本主義経済の枠を超えた発想が必要かもしれない。

組織に「揺らぎ」を与えよう

人間の組織では、単一な性格を持つ集団は安定した組織を形成し、過去を忠実に踏襲できるが、オリジナリティー溢れる新しい発想や動きは生み出しにくい。過去の延長線上にあるような緩やかな外部の環境変化には対応できても、急激な変化に対してはむしろ脆弱である。強烈な個性を持ち、自由な発想をする人たちがいて、新しい技術やイノベーションが生まれる。こうした組織こそが結果的に強靭な性格を身につけてくる。

ソニー共同創業者の盛田昭夫さんは、早いうちからこのことに気づいていた経営者の1人ではなかったか。盛田さんは社員募集の広告で「出るクイを求む!」というキャッチコピーを使った。エネルギーに満ちた人間が生み出す創造性と周囲への刺激に期待したのであろう。実際、ソニーには個性豊かな人が多かった。

組織を発展させ、強固なものにしていくためには、雲のように新しい分子を取り込み、全体として安定した集合体をつくる一方、積み木のように外部から「揺らぎ」を与えることで、集団としてのまとまりを高め、強靭さを獲得していく必要がある。

文理共創の考えを持とう

ソニー創業者である井深大さんの「1、10、100の法則」という言葉がある。あるアイデアを考えて商品のイメージを形作る努力を1とすると、それを商品として量産化するためには10の努力、そして事業化し売り上げを立て、利益を出すには100の努力が必要なのだ、と説いていた。これは、研究から技術、そしてイノベーションに至るプロセスの中で、イノベーションにはいかに研究や技術以外の力も必要かを説いたものである。思い上がりがちの開発者や技術者に対する激励と戒めの言葉でもある。

実際、1、10までは技術者が何とかできる。しかしその先となると、開発・設計や生産をするだけでは進めない。100を実現するためには、セールスやマーケティング、管理といった、経験の浅い技術者にとっては異分野と思ってきた人たちとの共働や共創が必要となる。すなわち、イノベーションのためには、研究者や技術者などの理系ワールドだけではだめだということである。それはいわば、「文理共創」の世界なのである。