陸上自衛隊幹部候補生学校の元校長が、陸上自衛隊の任務の中で学んできた組織術を紹介している一冊。リーダーにとって大切なこととは何かを紹介しています。
■リーダーには人間力と知力の両方が必要である
自衛隊においては、指揮官のリーダーシップを「統率」という言葉で表現する。「統率」は次の2つの要素からなっている。
①指揮
与えられた任務を基準に、その時の状況に応じた最適の判断を下し、それを部隊に確実に実行させること。この力を身につけるためには、どんな時にも冷静に論理的な判断を下し、それを実行に移せるよう、知的なトレーニングを積み、そのノウハウを習得する必要がある。これはリーダに必要な「知力」と表現できる。
②統御
リーダーとして部下を感化することにより、組織として士気高く、一致団結して任務達成に邁進できるようにすること。これはリーダーが、日頃からの立ち居振る舞いや言葉などを通じて、人間として影響を与えるということなので、ノウハウを学ぶというよりも、人間性そのものを磨いていかなくては、身につけることはできない。これはリーダーの「人間力」と言える。
リーダーひ必要な人間力で大事な点は次の通り。
①「即、実行」で信頼を勝ち取ること
②常にポジティブであること
③強い「想い」を持って、1人1人のメンバーを輝かせること
④メンバーの意見をよく聞いて感謝し、結論を出すこと
⑤愛嬌を身につけること
著者 松村 五郎
1959年生まれ。元陸上自衛隊幹部候補生学校長 陸上幕僚監部人事部長、陸将 1981年一般幹部候補生(U幹部)として陸上自衛隊入隊。防衛大学校訓練指導教官、外務省北米局安全保障課、第73戦車連隊中隊長、陸上自衛隊幹部学校戦略教官、陸上幕僚監部防衛部運用課第1班長、第3次イラク復興業務支援群長、統合幕僚監部運用部運用第2課長(災害派遣・統合訓練・国際協力等担当)、東部方面総監部幕僚副長、陸上自衛隊幹部候補生学校長兼前川原駐屯地司令、陸上幕僚監部人事部長などを歴任。陸将に昇任、統合幕僚副長、東北方面総監を経て、2016年退官。 陸上自衛隊のイラク派遣に関しては、陸幕運用1班長として関連法制整備・実施計画の策定、3次群長として現地の指揮、統幕運用2課長として本隊撤収の企画調整に従事するなど、一貫して係わってきた。
帯 防衛大学校長 國分 良成 |
週刊ダイヤモンド 2017年 9/16 号 [雑誌] (1982~2017 大学序列) 作家 佐藤 優 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 2分 | |
第1章 「即、実行」で信頼を勝ち取れ! | p.17 | 10分 | |
第2章 一人ひとりを輝かせよ! | p.33 | 10分 | |
第3章 よく聞いて、感謝し、決断せよ! | p.49 | 7分 | |
第4章 常にポジティブ思考であれ! | p.61 | 10分 | |
第5章 「志、元気、素直、愛嬌」を忘れるな! | p.77 | 7分 | |
第6章 チームの「地位・役割」を自覚せよ! | p.91 | 8分 | |
第7章 効果的に「情報」を集めよ! | p.105 | 11分 | |
第8章 必ず複数の行動案を検討せよ! | p.123 | 10分 | |
第9章 自分の目で現場を見よ! | p.139 | 7分 | |
第10章 「次の次」を考えて行動せよ! | p.151 | 8分 | |
第11章「利他の心」をリードせよ! | p.167 | 7分 | |
第12章「協働」の精神を持て! | p.179 | 7分 |