方向性の違う案を複数提案する
A・B・C提案とは、ど真ん中のA案を基準にして順にA→B→Cと外にずらしていくグラデーション提案のこと。これは、方向性としては1案プレゼンテーションと同じで、狭い範囲しかカバーしていない。こういう提案をすると、A案はつまらなく見え、C案は無茶に見え、無難なB案を選んでしまう。これでは「世の中を動かす面白い」は採用されない。
C・C・C型提案とは、全く違う趣向性の3案を提案すること。方向性として守備範囲が広く、すべての案が本命となる。
広告の「面白い」で世の中を動かす秘策
世の中は、当事者の一方的な自己主張よりも第三者からの意見を信じる傾向がある。なぜなら、そちらの方がより客観的で正確だと思うから。よって、広告において以下の方法が効果的である。
①「広告する為の広告」から「報道される為の広告」へ
広告を広告として機能させるだけでなく、メディアや一般生活者(=第三者)からの報道、情報発信を誘発するツールとしての広告を制作。後に第三者から発信される報道や情報をより効果の高い真の広告と位置付けて利用する。
②「発信する情報」と「発見させる情報」の用意
情報を一方的に発信するだけでなく一般生活者やメディアに対して「発見させる情報」を仕込んでおくことで情報発見者が情報発信者となってどんどん話題が拡散する。この発見と発見後の情報発信にWebの力が発揮される。
③欲求不満と解消の繰り返し
人は欲求が満たされている状態ではなかなか行動を起こさない。そこで、あえて欲求不満(≒情報不足)な状態を生み出し、欲求不満を解消しようとする自主的な行動を利用して人を、世の中を動かす。
面白くする技術
①アイデアを考える時にはパソコンを開かない
企画というのは、新しいアイデアを「創造」すること。つまり、何もないところから新しい何かを生み出すことである。しかし、パソコンが目の前にあると創造しないで「検索」してしまう。「検索」は既存のアイデアを探す行為であり、今までになかった新しい何かを生み出すのとは正反対の行為である。
ただ、企画という行為は発想と検証の繰り返しである。だから「発想」の段階で検索するのはタブーだけど、逆に「検証」の段階ではパソコンで検索することが必要不可欠になる。
②自分ごと化の自分ごと化をする
広告では伝えた情報を「自分に関係のある話」として受け止めてもらうことが必須である。しかし、「自分ごと化」はすごく難しい。この「自分ごと化」の大変さを自分ごと化できている人が少ない。常に、この程度のことで本当に自分ごと化してもらえるのか、という疑いの目を持って二重、三重、四重、五重の自分ごと化のためのアイデアを用意する必要があると肝に命じる必要がある。