サイバーエージェントの人事責任者が、人材育成の方法を紹介している一冊。サイバーエージェントでは、どのようにして人を育てて、パフォーマンスを高めているのかが書かれています。
■強みを見つけて伸ばすことが大切
一人一人の才能や強みを見つけ伸ばし、活かすことこそが人事においては最も大切である。但し、その人が持っている才能を引き出すということは簡単ではない。
才能を引き出すには、才能が開花する「環境をつくる」ことが必要である。大きな仕事を任せたり、対話によって背中を押してあげたりするなど、その本人が自分の強みを引き出せるような環境をつくることで才能が発揮されやすくなる。そのためにまずやることは、メンバーの強みを見つけること。リーダーがメンバーの強みを見つけるだけでなく、リーダー自身が自分の強みを見つけ、メンバー自身が自分の可能性に自ら気づけるようにすることが「才能開花」への第一歩となる。
■決断経験が強みを増やす
サイバーエージェントの人材育成で最も大事な考え方は、「決断経験」である。研修や勉強会、面談、フィードバックなども人材育成には必要だが、何よりも大切なのは決断経験である。
大きな決断を下した数が多い人は、同じようなケースの決断を行う知恵に加えて胆力がある。決断経験がない人は、高スキルであっても、決断できるかどうかがわからないため、逃げてしまったり先送りしたりしてスピードが落ちる可能性がある。
まずは決断の数を自らどれだけ増やしているか、量が大事である。量が増えてくれば、次に質が大事になる。自分から上司や先輩に対して問題を提起している人は、決断量が多くなる。受け身の人は成長しないとよく言われるが、それは主体的な決断の数が少ないから。今受け身であっても、これから決断を増やす努力をしていけば、成長につなげることができる。
自らの能動的な意思を決めて、判断するのが決断である。決断の量が増えると、同じような決断は簡単にできるようになる。マンネリというのは、慣れた決断ばかりで、決断の質が横ばいの状況を言う。仕事の意味づけを再定義するか、決断経験の質が高まるように職種を変えるか、ポジションをあげるしか、マンネリを打破する方法はない。
著者 曽山 哲人
1974年生まれ。サイバーエージェント取締役人事統括 伊勢丹(現・三越伊勢丹ホールディングス)に入社し、紳士服の販売とECサイト立ち上げに従事したのち、1999年サイバーエージェントに入社。インターネット広告事業部門の営業統括を経て、2005年人事本部長に就任。 現在は取締役として採用・育成・活性化・適材適所の取り組みに加えて、ソーシャルメディアでの発信なども行っている。
帯 神戸大学教授 金井 壽宏 |
帯2 東京大学准教授 中原 淳 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
まえがき | p.3 | 2分 | |
第1章 なぜ強みを活かすのか | p.15 | 11分 | |
第2章 強みを知る | p.35 | 21分 | |
第3章 強みを活かす話し方 | p.71 | 22分 | |
第4章 強みを伸ばす | p.109 | 26分 | |
第5章 強みを活かすマネジメント | p.155 | 35分 | |
対 談 実践・強みを活かす | p.217 | 19分 |
フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術 (PHPビジネス新書) [Amazonへ] |
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす [Amazonへ] |
9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係 (PHP文庫) [Amazonへ] |