世界的潮流となっている、無料で学べるオンライン講座のススメ。ドコモの新規事業として立ち上がった大規模オンライン講座「MOOC」の日本版gaccoの設立者が、これからの学びの必要性を説く一冊。
■人生を通した学びが必要である
社会に出てからの方が長期的・継続的な勉強が必要である。仕事を持っていることに満足するのではなく、常に自らを成長させていかなければならない。その必要性が高まっている理由の1つが、AIの登場と、その加速度的な進化にある。
自然言語を理解し、膨大な専門知識を学習してデータとして蓄積するAIは、ビジネスの生産性を飛躍的に高め、質の均一化に寄与するものとして期待が大きい一方、人間の仕事が次々とAIに取って代わられてしまう事態が起こり得る。技術の進歩で、人が苦労してやらなくても済むようになったり、業界の仕組みが変わって、それまであった業務そのものがなくなってしまったりすることがある。
これからくる新しい時代、AIと共に生き抜くには「AIと友達になる」ことである。そのためには自分自身の継続的なアップデートが必要である。そして、そのための方法が絶え間ない「人生を通した学び=Lifelong Learning」である。
■学びの場を作ること
OECD各国における25歳以上の大学への入学割合は、1位アイルランド32%、2位ニュージーランド27.7%、3位スウェーデン25.9%、ずっと下って韓国17.3%。これに対して日本は1.9%である。日本では特に社会人の「学び直し」の割合が世界的に見て著しく低い。
大学などで学び直したいというニーズはあるのに、環境がそれに応えられていない。大学に入り直すとなったら、費用や時間などあらゆる面でかなりの負担となってしまう。
社会人が学びを続けていくためには、次の3つに留意した学びの場を作る必要がある。
①費用負担を軽くする
②距離・時間の自由がきく学習機会の提供
③モチベーションの維持
著者 伊能 美和子
ドコモgacco 代表取締役社長 大学卒業後、NTT入社。 企業内起業家として、メディアコンテンツ領域の新事業開発に従事。NTT研究所開発技術を活用し、音楽の著作権処理フローの大変革を実現。 また、デジタルサイネージの事業化を推進する傍ら業界団体を設立する。 日本初のMOOC(大規模公開オンライン講座)サービス、「gacco」を立ち上げ、同サービスの運営会社、株式会社ドコモgacco代表取締役社長に就任。 一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム専務理事。 政府有識者会議の委員などを歴任。
帯 脳科学者 茂木 健一郎 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.4 | 6分 | |
第1章 学ぶことの意義 | p.21 | 13分 | |
第2章「何を」「どう」学ぶべきか? | p.43 | 25分 | |
第3章「人生を通しての学び」の始め方 | p.85 | 14分 | |
第4章 生涯にわたる学習こそが、あなたの人生を豊かにする | p.109 | 30分 | |
第5章 どんな環境にあっても、充実した日々を送るために | p.161 | 10分 | |
おわりに | p.178 | 2分 |
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