革新的な製品やサービスで成功するのはシリコンバレーの企業だけではない。シリコンバレー以外の業界で成功している企業を事例に、企業やリーダーが成功するために大切なことを紹介している一冊。
■退屈している組織は成功できない
成功物語は、革新的技術を掲げる一握りのスタートアップや若い億万長者だけのものではない。可能性に気づくことができれば、どの業界でも新たな成功物語を生み出せる。たとえ変化の乏しい環境でありふれたものを提供していても、それらを傑出した製品・サービス・経験に変えることはできる。長年同じやり方を踏襲してきたのなら、むしろ抜きん出るチャンスはある。考え方次第で戦いを変えられるなら、旧態依然で凝り固まった業界ほど勝てる余地は大きいだろう。
ほとんどの企業やブランドが抱える問題は、破綻ではなく退屈だ。退屈している組織が大成功を収めることはない。顧客はもはや、ありきたりのやり方を受け入れない。並外れたものでなくては意味がない。どの業界でも、熱狂はすぐに退屈に変わり、退屈は苛立ちに変わる。驚かせて欲しい、ワクワクさせて欲しい、いつまでも記憶に残るものが欲しい。それが顧客の望みであり、企業が提供しなくてはならないものだ。
ビジネスの世界でありがちな失敗は、想像力が足りなかった時、度胸が欠けていた時、過去にとらわれてしまった時に忍び寄る。
成功物語は、革新的技術を掲げる一握りのスタートアップや若い億万長者だけのものではない。可能性に気づくことができれば、どの業界でも新たな成功物語を生み出せる。
ビジネス誌『ファストカンパニー』共同創刊者 元『ハーバード・ビジネス・レビュー』(HBR)エディター。HBRのウェブサイト「HBR.org」に連載を持ち、『ニューヨーク・タイムズ』『ガーディアンズ』などにも寄稿多数。
帯 経営コンサルタント トム・ピーターズ |
TOPPOINT |
日経トップリーダー |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
プロローグ 成功物語はシリコンバレーにしかないのか? | p.1 | 5分 | |
1章 「競争」と「選択」は違う――顧客に差し出せる価値は何か? | p.19 | 15分 | |
2章 信じているものしか見えない――情熱、使命感、ひたむきな努力 | p.41 | 17分 | |
3章 専門性の「罠」を超えて――成功がアイデア発見を妨げる | p.67 | 17分 | |
4章 好奇心を解き放つ――〝初めて〟の数がモノを言う | p.91 | 17分 | |
5章 思いやりは、生産性の敵ではない――「感情労働」の重要性が増している | p.117 | 17分 | |
6章 企業は「愛情」を提供できるか――本当の幸せとは、どういうものか | p.141 | 14分 | |
7章 「セレンディピティ」を求めて――便利さより、衝突を重視する | p.163 | 20分 | |
8章 「勝者一人占め」に未来はない――誰もが同じ船に乗っている | p.191 | 18分 | |
エピローグ 成功への「8つの質問」 | p.217 | 7分 |
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