日本初の現代美術画廊である東京画廊のオーナーが、アート作品の値段はどのように決まるのか、資本主義の典型例であるアートにまつわる経済を解説した一冊。
■アートは資本主義経済の典型例
アートは純然たる「美術」であると同時に、それは「商品」であり、その「商品」の「価値」を人々は判断し「価格」をつける。アートが面白いのは、数万円で売り買いされていたものが、時を経ると、何億、何十億にもなったりする。価格がいきなり100倍、1000倍にまで変動すること自体が、資本主義社会の仕組みである。そして、その資本主義社会の特質を最も先鋭的な形で表しているのが、アートである。
絵画の史上最高額は、2015年7月現在でゴーギャンの『ナフィア・ファア・イポイポ』約355億円。次いでセザンヌの『カード遊びをする人々』が約325億円と言われている。絵画の値段というのは、あってないようなものだと言われる。
資本主義経済において「交換価値」は、時に人の思惑でどんどん上がっていく。そして、出発地点で「使用価値」が低いものほど、時間が経つと「交換価値」が人の思惑で上がる可能性がある。
著者 山本 豊津
1948年生まれ。東京画廊 代表取締役社長 日本で最初の現代美術の画廊「東京画廊」創業者山本孝の長男として生まれる。 1971年、元大蔵大臣村山達雄秘書。2014、15年アート・バーゼル(香港)、2015年アート・バーゼル(スイス)へ出展、日本の現代美術を世界に紹介。 アートフェア東京のコミッティー、全銀座会の催事委員を務め、多くのプロジェクトを手がける。
帯 日本大学教授 水野 和夫 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.7 | 2分 | |
第1章 資本主義の行方と現代アート | p.19 | 18分 | |
第2章 戦後の日本とアート | p.53 | 15分 | |
第3章 日本発のアートと東京画廊の歩み | p.81 | 21分 | |
第4章 時代は西欧からアジアへ | p.119 | 18分 | |
第5章 グローバル化と「もの派」の再考 | p.153 | 15分 | |
第6章 「武器」としての文化 | p.181 | 18分 | |
おわりに | p.215 | 2分 |
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