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2017/04/26更新

「経営の定石」の失敗学 傾く企業の驚くべき共通点

  • 小林 忍
  • 発刊:2016年12月
  • 総ページ数:323P

233分

10P

  • 古典的
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経営の定石の失敗

③リーダーシップ
激変する経営環境の中で、経営陣が「組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立」し「目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する」ことはマストである。しかし、リーダーシップは発揮の仕方を誤ると、拙速な判断を招いたり、本来優れた「経営の定石」である方法論が、歪んだ形で運営される原因となる。リーダーシップの失敗の背景には、経営トップを牽制する仕組みがないため、経営トップが絶対権力者となってしまう、組織のインテリジェンス不足から、経営トップを牽制する場があっても、議論が空転してしまう要因がある。

④ワイガヤ
様々な意見を吸い上げて、より良い考えを取りまとめるために有効な手法。しかし、文字通り「ワイワイガヤガヤ」と堂々巡りの議論に陥ったり、一見自由闊達に見えて、実は「誰か」あるいは「何か」に操られた挙句に無責任な結論を導いたりする恐れもある。ワイガヤの失敗の背景には、社長のスタンス、会議・打ち合わせを進行するスキルの欠如といった要因がある。

⑤現場主義
机上の空論に陥ることなく、現地・現物・現実に立脚して打ち手を取りまとめ、実行するために有効な手法。しかし、現場訪問時の見聞を「現場の声」として金科玉条にする、経営陣が自らの知見を振りかざして現場のHow論に介入する、現場発の情報を鵜呑みにするといったことによって、思わぬ副作用に苦しめられることもある。

⑥コミットメント経営
「数値目標をはっきり示す」「数値目標の責任者を明確化する」ことで企業の底力を発揮する。しかし、取り組み方を間違えると、経営陣が会社の実態を把握できなくなる。また従業員が、目標必達を当たり前の状況と思うようになって、モチベーションを低下させる恐れもある。

⑦モチベーション経営
職場環境の整備等によって社員の働きがい、やる気を引き出す手法。モチベーションという言葉のポジティブな響気に惑わされ、打ち手の選択や優先順位を誤ると、逆に優秀層に見限られて会社を危機に陥れかねない側面も持っている。

⑧選択と集中
自社がコストと品質で1番か2番になれる事業領域を明確化し、そこに事業を絞り込んで経営資源を集中的に投下する戦略。業績悪化局面において、1番か2番になる見通しすらないままに「自社でまだしも利益が出ている事業がこれだから」と、後ろ向きの選択と集中をすることがある。そうやって選び取った事業が、結局は競合に負けてしまい、のっぴきならない事態に追い込まれることもある。

⑨ポートフォリオ経営
展開する事業群について、全社としてのリスク分散を図り、経営の健全性を維持しようとする手法。一歩間違うと、単に弱い事業の集合体を作るだけになってしまい、安定した経営を行うことが困難となる。