ブランドはどのようにして、その人の中で構築されるのか。脳科学の見地から、ブランドが人の心で構築される仕組みを考察し、どのようにしてブランドを築けば良いかを紹介している一冊。
■小さな連想の積み重ねがブランドを印象付ける
ブランドとは、簡単に言えば消費者の心の中にある連想の集まりである。製品やサービス、機能、デザイン、広告などのように、こうした連想の多くは意識できる。しかし、これは氷山の一角にすぎない。無意識の内にブランドと結びつけられた強い印象や感情的な意味合いの多くは、意識の下にある。このブランドに対して無意識に抱く印象を「ブランド・ファンタジー」と呼ぶ。意識下にあるつかの間のイメージ、抽象的思考、繊細な感情など、目に見えない連想の組み合わせが、気づかないうちに、私たちの意思決定や行動に大きな影響を及ぼす。
実は、自分で意識しているよりも、脳はずっと多くのことをキャッチし、解析している。意識下では非常に多くのことが起こっているのに、自分では気づいていない。私たちはブランドと出合うたびに、小さな連想が山になる。連想はそのブランドを見た場所だったり、一緒にいた人、その時自分がしていたことだったりする。こうした経験はすべて、目立たないように少しずつ、そのブランドに対する潜在的な印象に影響を及ぼす。
私たちは未だに意識を重視したブランドを構築し、その裏側にある無意識的連想をないがしろにしている。購買決定にとって重要な感情は、ブランド全般に対して抱く印象だと認識すべきである。それはブランドに関する小さな連想すべての総和なのだ。
著者 ダリル・ウェーバー
ブランド戦略コンサルタント コカ・コーラ、ナイキ、ジョニー・ウォーカー、ゲータレード、パンパースなど、世界で最高かつ最大のブランドの多くに影響を与えてきた。 かつてはコカ・コーラ社でクリエイティブ戦略を担当するグローバル・ディレクターを務め、10億ドル級のブランドのブランディングやコミュニケーション戦略を統括した。 それ以前には、小規模専門会社向けのブランディングとイノベーションのコンサルティング会社、レッドスカウトの戦略部長として、フォーチュン100(グローバル企業の総収入ランキングトップ100)入りした企業に、新商品イノベーションやブランド・ポジショニングに関するアドバイスをした経験もある。
帯 東京大学薬学部教授 池谷 裕二 |
帯2 作家 セス・ゴーディン |
帯3 コンサルタント ニール・イヤール |
帯4 AirBnB CMO ジョナサン・ミルデンホール |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
帯5 ニューヨーク大学スターン校 准教授 アダム・オルター |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序 章 心の底にあるブランドの世界 | p.10 | 14分 | |
第1部 脳とブランドの結びつき | p.29 | 2分 | |
第1章 美は見る者の脳にある | p.32 | 19分 | |
第2章 注目されているだろうか? | p.58 | 13分 | |
第3章 覚えているだろうか? | p.76 | 13分 | |
第4章 感情的になる | p.94 | 15分 | |
第5章 決断、決断 | p.114 | 17分 | |
第2部 ブランドの新しいモデル | p.137 | 2分 | |
第6章 かっこよさを捉える | p.140 | 12分 | |
第7章 ブランド・ファンタジー・モデル | p.156 | 19分 | |
第8章 ブランド・ファンタジーの実践 | p.181 | 15分 | |
第3部:魅惑的なブランドを構築する | p.201 | 4分 | |
第9章 ブランドのバケツを満たす | p.206 | 15分 | |
第10章 無意識に訴える | p.226 | 16分 | |
第11章 無意識を探る | p.248 | 12分 | |
第12章 無意識に向けたイノベーション | p.264 | 12分 | |
まとめ | p.280 | 1分 |
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