リモートワークやLCCの普及により、働き盛り世代を中心に「移住」への関心が高まっている。若い世代を中心に国内外へ移住した人々へのインタビューから、場所にとらわれない働き方を考えさせる一冊。
■変化する移住のイメージ
2016年に発表された総務省の調査によれば、移住に関する相談件数は14万1683件にのぼる。この調査での相談者の関心事は「住まい」の次に「仕事」がきている。つまり、この相談者たちは、年金暮らしのリタイア後の楽園探しとして移住を考えているわけではない。
移住といえば定年退職後のシルバー世代が終の住処を探す、もしくは都市での生活が合わず故郷へUターンする、といった旧来のイメージが強かったが、近年の移住に対するイメージは大きく変わってきた。
NPO法人ふるさと回帰支援センターの調査によれば、2009年頃から、40代以下の世代の地方移住の相談が急増し、2008年では2901件だった相談件数は、2013年には10827件に増えている。年代別の割合でも40代以下は2008年の30.4%から2013年には54%にまで上昇している。地方のQOLの充実が「理想の暮らし」の大きなキーワードであることに違いはないが、そこに魅力を感じている世代は、以前と大きく変わってきている。
従来のイメージに収まらない「移住」が近年増えている。ITの進歩により、世界中どこにいてもリモートで仕事ができるようになったことと、リアルタイムに情報を共有できるようになり、地域による情報格差が減ったことが大きな要因である。それによって、新しい働き方や暮らし方を実践する人が急激に増えた。
著者 米田 智彦
1973年生まれ。編集者、コンテンツディレクター ライフハッカー[日本版]編集長 報道機関社会部でアシスタントをしながら音楽制作を行い、映画のサウンドトラックなどの楽曲提供やライブ活動を続ける。その後、スポーツ系出版社に就職し、情報サイト、ライフスタイル誌の編集に携わり、ITベンチャーへの出向を経て独立。 フリーの編集者・ディレクターとして出版からウェブ、ソーシャルメディアを使ったキャンペーン、イベント企画まで多岐にわたる企画・編集・執筆・プロデュースを行う。 2005年より「東京発、未来を面白くする100人」をコンセプトしたウェブマガジン「TOKYO SOURCE」を有志とともに運営。数々の次世代をクリエイトする異才へのインタビューを行う。 2011年の約1年間、家財と定住所を持たずに東京という“都市をシェア"しながら旅するように暮らす生活実験「ノマド・トーキョー」を敢行。約50カ所のシェアハウス、シェアオフィスを渡り歩き、ノマド、シェア、コワーキングなどの最先端のオルタナティブな働き方・暮らし方を実践する100人以上の「ライフデザイナー」と出会い、その現場を実体験する。 2014年より月間読者数580万人のウェブメディア「ライフハッカー[日本版]」の編集長を務めている。TOKYO MXテレビ「モーニングCROSS」のコメンテーターとしても出演中。
帯 福岡市長 高島 宗一郎 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ | p.13 | 6分 | |
第1章 移住について、いま知っておきたいこと | p.25 | 12分 | |
第2章 国内での移住を考える | p.49 | 63分 | |
第3章 国外への移住を考える | p.171 | 68分 | |
第4章 働きながら移住する僕ら | p.303 | 26分 | |
エピローグ | p.353 | 3分 |
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