作家の池澤夏樹氏が、現代社会を知的に生きていくためには、どうすればいいのかを解説している一冊。著者の仕事術が紹介されています。
■脳を更新していく
人間には元々、知的好奇心がある。「知りたい」という気持ちが、人を動かしている。身体が食べることで新陳代謝を行うのと同じように、脳の中は、知的な食べ物の摂取と不要なものの排出によって常に新しくなっている。その入れ替えを意識的に行いたい。
生きるためには、軽い順に①「情報」、②「知識」、③「思想」が必要だ。「情報」はその時々に起こっていること、起ころうとしていること。いわば日付のあるデータだ。たった今の世の動きを知るにはこれが欠かせない。「知識」はある程度まで普遍化された情報、しばらくの間は通用する情報であって、普通にものを考える時にはこれが土台になる。その一方で知識もまた変わりゆくから更新が必要で、古いものは信頼性が低くなる。「思想」とは、「情報」や「知識」を素材にして構築される大きな方針である。個人に属するものもあり、多くの人々に共有されるものもある。それ自体が人格を持っていて、成長し、時には統合され、また分裂し、人類全体の運命を導く。「哲学」や「宗教」まで含む大きな器。
これらをいかにして獲得し、日々更新していくか。かつて学んで得た知識を、いかにアップ・トゥ・デートしていくか。
知識人として生きていくためには、まず新聞を読むことである。
著者 池澤 夏樹
1945年生まれ。作家 小説、書評、翻訳など多くの分野で活躍。ギリシャ、沖縄、フランスに滞在し世界的な視野で作品を発表。『スティル・ライフ』で芥川賞、『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、『パレオマニア』で桑原武夫学芸賞などを受賞。
週刊東洋経済 2017年2/18号 [雑誌](ベンチャー沸騰! 日本を変える100社) |
週刊ダイヤモンド 2017年 3/4 号 [雑誌] (データ分析 勝つための絶対スキル) 作家 佐藤 優 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.8 | 3分 | |
1 新聞の活用 | p.14 | 8分 | |
2 本の探しかた | p.30 | 16分 | |
3 書店の使いかた | p.61 | 11分 | |
4 本の読みかた | p.83 | 13分 | |
5 モノとしての本の扱いかた | p.109 | 3分 | |
6 本の手放しかた | p.114 | 10分 | |
7 時間管理法 | p.133 | 3分 | |
8 取材の現場で | p.139 | 10分 | |
9 非社交的人間のコミュニケーション | p.158 | 2分 | |
10 アイディアの整理と書く技術 | p.162 | 9分 | |
11 語学学習法 | p.179 | 3分 | |
12 デジタル時代のツールとガジェット | p.185 | 18分 | |
あとがき | p.220 | 1分 |
華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) [Amazonへ] |
読書術 (岩波現代文庫) [Amazonへ] |
野生の思考 [Amazonへ] |
子供より古書が大事と思いたい 増補新版 [Amazonへ] |
知的生産の技術 (岩波新書) [Amazonへ] |