ものを手放すことで、むしろ豊かになれる。ミニマリズム運動を代表する1人が、より少ない生き方のメリットを説き、その実践方法を紹介している一冊。
■ものを手放すと本当に大切なことに時間を使える
「ミニマリズム」とは、一番大切にしているものを最優先にして、その障害になるものは全て排除することである。ミニマリズムのいいところは、ものが減ることではない。本当の利点は、豊かさが増えることだ。
所有物が少なくなれば、それだけ意味のある行動に使える時間が多くなる。旅行する自由が手に入り、心が穏やかになる。頭の中がすっきりするので、難しい問題を解決する気力がわいてくる。お金に余裕ができるので、意義のある活動を支援することができる。本当にやりたい仕事を目指すこともできる。
人生から不要なものがなくなれば、本当に大切なものを追い求めることができる。その結果、人生の満足感が飛躍的に大きくなるのだ。
■ものを手放すことで得られるメリット
ものを減らすと、ものを増やしていては絶対に味わえないような喜びが手に入る。
①時間とエネルギーが増える
ものを持つには、まず買うためにお金を稼ぎ、そのものについて調べ、実際に購入し、掃除し、整理し、修理し、買い換え、不要になれば売らなければならない。これは時間もエネルギーもかなり消費する。
②お金が増える
買うものが減れば、使うお金も減る。維持管理にかかるお金も節約できる。
③人のためになることができる
お金のかからない生活をしていると、意義に賛同する慈善活動などにお金を出す余裕ができる。
④自由が増える
ものがありすぎると、肉体的にも、精神的にも、経済的にもものに支配される。
⑤ストレスが減る
たくさんあって散らかっているとストレスが増える。
⑥環境にやさしい
過剰な消費は、地球環境の破壊を促進する。
⑦質のいいものを持てる
いらないものまで買うのをやめれば、本当に必要なものを買う時に質の高いものを選ぶことができる。
⑧子供のいい手本になれる
子供にきちんとした価値観を植え付け、過剰な消費をあおる文化から自分の身を守れるようにする。
⑨人に面倒をかけない
家にものがあふれている状態のまま死んだり、介護が必要になったら、残された人に面倒をかける。
⑩人と比べなくなる
意識して所有物を少なくすれば、誰も勝つことができない「比較」というゲームから降りることができる。
⑪満足できる
物質的な所有物は、絶対に心を満足させてはくれない。際限なくものを追い求めるのをやめた時、そこで初めて人生の不満の正体がわかる。
著者 ジョシュア・ベッカー
作家 現代のミニマリズム運動を代表する1人。ミニマリズム生活を紹介するウェブサイト「ミニマリストにな(BecomingMinimalist.com)」の創設者、編集者。このサイトは毎月100 万人以上が訪問する。 国際的に活躍する講演家で、これまでに「タイム」誌、「サクセス」誌、「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙、「ボストン・グローブ」紙、「クリスチャニティ・トゥデイ」誌、イギリスの「ガーディアン」紙など、多数のメディアで紹介された。 主な著書に、ウォールストリート・ジャーナル・ベストセラーになった『Simplify』や、『Clutterfree with Kids』などがある。 NPO「ホープ・エフェクト」を設立。孤児に本物の家族のような環境を提供する活動を行っている。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
THE21 2017年 06 月号 作家 印南 敦史 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1章 より少ない生き方を始める | p.13 | 13分 | |
第2章 ものを減らして自由になる | p.35 | 10分 | |
第3章 自分らしいより少ない生き方を見つける | p.52 | 12分 | |
第4章 消費社会の罠を知り尽くす | p.72 | 16分 | |
第5章 自分の中にある「欲しい」という気持ちを探る | p.100 | 12分 | |
第6章 簡単なところからものを手放していく | p.121 | 11分 | |
第7章 どうしても手放せないものと向き合う | p.140 | 19分 | |
第8章 少ないもので暮らす実験をする | p.173 | 16分 | |
第9章 より少ない生き方を維持する | p.201 | 12分 | |
第10章 家族でより少ない生き方をする | p.222 | 16分 | |
第11章 ものを手放して「意味のある人生」を実現する | p.249 | 13分 | |
第12章 何のために生きるのかを見つめる | p.272 | 12分 | |
第13章 ものの少ない暮らしの先にあるもの | p.292 | 8分 |